社会的に意味ある投資を敢行するという孫正義氏の気概には、誰もが一目おくところ。
しかし、メガソーラー事業は筋が悪すぎる。
モンスーン気候帯の日本にはもともと向かないコンセプトだからだ。と言って、海外立地は安全保障を考えれば実践性ゼロ。
太陽光発電を増やしたいなら、冷房期間の現場発電でピーク電力量抑制を図るのがまっとうなやり方だと思うが。
しかし、メガソーラー投資にはえらくご執心。
ガッカリしたが、今度の投資分野には喝采を送りたくなった。
老人世帯向けロボット分野に手を染めるつもりらしい。
この分野、ベースとなる技術の開発もさることながら、市場を早く切り拓く必要がある。利用者に必要な機能を洗練させない限りどうにもならない。
その観点から、開発競争の火付け役として、ベンチャーに資金を流してくれるなら、大いに期待が持てる。
なにせ、コンセプトが明瞭だし、誰が考えても、そこには巨大なニーズがあるのは明らかだから。・・・老人施設入居前の数年間を想像すればすぐわかる筈。家庭内ロボットが欲しくなって当たり前では。しかも、お金を持っている人達なのだし。
日本では、相変わらず古典的な体制で行う、実証研究が盛ん。お陰で、開発スピードは今一歩。これを加速させるには、是非とも刺激が欲しいところ。
市場開発にしても、面倒なことを言われるなら、日本で始める必要などさらさらない。ソニーの交通用ICカードにしても、海外から始めたからこそ成功したのである。
(記事)
"Aldebaran Robotics Sells Majority Stake for $100 Million" ieee spectrum(Erico Guizzo - blog) 3月12日, 2012
Maija Palmer: "SoftBank puts faith in future of robots" FT March 11, 2012