昨日、スーパーに立ち寄った。新製品が無いか、売り場を一通り眺め回す習性がついているのだが、ザル豆腐ではなく、「ザク豆腐」と称する商品が目についた。
豆腐百珍のような調理済食品ではなく、枝豆風味の豆腐との表示。初耳である。
国外発祥品の感じはしないし、郷土食品の風情も皆無。ザクザク食感は無理だろうに、などと思いながら、買わずに売り場を通り過ぎてしまった。
後で気になったので調べたら、なんと、「機動戦士ガンダム」に登場する代表的なモビルスーツ「ザク」をイメージした商品。
外装袋にアニメを想像させる絵柄がないから、小生のように「機動戦士ガンダム」がなんたるか知らない層には、全くわからなかった訳である。多分、細かな説明が袋に記載されていたのだろう。
容器の色と形、同梱のスプーン形状が、「ザク」と同一モチーフで作られているそうだ。豆腐で日本一の売り上げを誇る企業の開発だという。
豆腐も、ついに、ここまできたか。
キャラクター商品は珍しくないが、モノが豆腐。大人相手の日配商品にも効く訳か。子供を喜ばすために、親が購入というのも考えられぬではないが。
実に感慨深いものがある。
80年代前半だったか、通産省のお役人に、日本の大企業の「豆腐」産業への進出はどう扱われそうかお尋ねしたことがあるからだ。
と言うのは、目立たない形で、輸出事業をしている大企業があったから。その後発として、本格的に参入したりすれば、どのような「ご指導」があるか気になったのである。
懇切丁寧に、状況を説明してくれ、大いに助かった。お陰で、日本の仕組みがよくわかった。
若い方には、そんな状況はとても考えられまい。しかし、小生から見れば、状況はたいして変わっていないように見える。社会風土というか、人々の価値観は当時とほとんど変わっていないのではなかろうか。
(記事)
「ネタのたね相模屋食料「ザクとうふ」 TV東京 3月28日
「「機動戦士ガンダム」の「ザク」が豆腐に−「ヒート・ホーク・スプーン」同梱も」 アキバ経済新聞 2012年3月29日