■■■■■ 2012.4.13 ■■■■■

 液晶のシャープの状況がよくわからぬ

シャープの液晶関連事業の状況が今一歩よくわからない。業績悪化情報の開示タイミングもどうも腑に落ちぬし。

●堺工場をどう立て直すのだろうか。
常識的には、一気に減損処理すべき事業では。ところが、鴻海に5割弱の株を引き取ってもらった上で、今になってから突然に部材メーカー工場を統合し、連結非対象会社にしてしまった。これで経営内容は外からは見えなくなってしまった。一般には、アップル受注の連合体制構築と見られているようだが、OEM企業と垂直統合企業が合同でキーコンポーネント事業を展開する図であり、そう単純に見る訳にもいくまい。
それに、生産工場だから流出技術も限定的とも言い難かろう。歩留まり向上スキルは工場現場の技術部隊について回るものだし。

●モバイル用新技術液晶出荷遅延の理由が気になる。
IGZOを採用した液晶パネルの仕様は 10インチ2,560x1,600、7インチ800x1,280の高精細。光透過性が優れているそうで、電力消費量抑制ができるからモバイル用には最適な筈。「出荷遅延」ということは、技術的に突っ込みすぎて、歩留まり上がらずだったのかも。他社特許網をかいくぐる必要がある分野だから、無理をして独自技術にこだわったのではなかろうか。一部他社技術を使ったところで、低電力消費量という点でオンリーワンだから、そんなところにこだわる必要はないと思うが。

(2012年3月期の連結業績予想)
 ---発表日---  売上高 営業益 経常益 最終益
2011年06月03日 3,050,000 +97,000 +67,000  6,000
2011年07月28日 (第一四半期連結最終損益: -49,200)
2011年10月27日 2,800,000 +85,000 +67,000  6,000
2012年02月01日 2,550,000   0  -30,000 -290,000
2012年04月10日 2,450,000 -40,000 -70,000 -380,000
(修正理由)
2011年10月27日の下方修正:
 ・事業構造改革前倒し
2012年02月01日の最終赤字転落:
 ・液晶カラーテレビ/太陽電池などの大幅な価格下落
 ・円高/景気減速への警戒
2012年04月10日の赤字拡大:
 ・モバイル端末向け液晶の出荷遅延
 ・シャープディスプレイプロダクトの体質改善費用計上
(ロイターの記事)
〔SB流通動向〕シャープ<6753.T>債の売り続く、さらなる業績悪化や格下げを警戒 2012年 04月 13日 16:39 JST
シャープ、亀山第2工場での最新液晶パネル生産量は12年度下期に7─8割へ 2012年 04月 13日 15:05 JST
シャープが堺工場を連結対象外に、大日印と凸版に新株割り当て 2012年 04月 10日 22:24 JST


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