■■■■■ 2012.4.15 ■■■■■

 北朝鮮ミサイル対応問題を違った視点で見ると

北朝鮮が早朝に長距離弾道ミサイルを南東方向に発射した。
ところが、日本政府の発表がいい加減に映ったから、批判だらけ。典型的発言を一つご紹介しておこう。
・・・田中直紀防衛相により、「正確に確認するまでは一切情報を流さないという情報統制が行われた。指揮をとった防衛相の責任は重い」。政府の発表がテレビやツィッターより遅れており、「国民の生命を危機に陥れる可能性があった最悪の危機管理だ」。

コレ、みんなの党の渡辺喜美代表、13日午前の記者会見からの引用。特別目立った発言ではなく、マスコミ論調を含めて、おそらく標準的。
だが、自分が米国の政府高官だったと仮定して考えて見ると、おかしな批判といえなくもない。そこら辺りを少々検討してみたい。

●米軍は自衛隊にミサイル発射情報を即時流した筈。その約1分後、ミサイルが消滅したことも含め。(自衛隊のレーダー網がミサイルを探知する前に爆裂した訳である。)従って、自衛隊から危険情報が発信されることなどあり得まい。レーダーが壊れていない限り、「国民の生命を危機に陥れる可能性」は無いからだ。どんな風にミサイルが消滅したか判明してから、状況報告をしたところでなんの問題も無かろう。・・・批判者の大騒ぎに、なんとはなしの違和感。

●ミサイル発射失敗情報の政府発表についてだが、常識的には、即時伝達された米軍情報とは、発射とミサイル消滅だけでは。政府が、これをそのまま発表する訳にはいくまい。適当な言い回しで、なるべく早く発表するのが当たり前。ところが、政府はモタクタ。そのため、自衛隊と防衛省の機能不全などという批判多し。・・・なんとなく腑に落ちぬ動き。

●米軍も自衛隊も、ミサイル爆裂の可能性も含め、どう対応するかシナリオを作成していたに違いない。常識的には、それに基づいて、防衛省と首相官邸間の連絡手順も決まっている筈。・・・そうか、これを機に、独自のミサイル探知機能を持たねばとの動きにつなげたいのか。日本は相変わらず、そんなことをしているのか。

(記事)「情報統制行われた」 みんな・渡辺代表が田中防衛相の問責決議案提出へ 2012.4.13 14:50 MSN産経ニュース


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