■■■■■ 2012.4.27 ■■■■■

 One Sonyになれるか(続)

新陳代謝を図るには、サイロを壊すべしという考え方は、常識的な正論。
しかし、サイロあってこその組織活力発現との伝統文化を有する企業も少なくない。蛸壺型でも、組織が一丸となって頑張るから、それなりの成果がでるため、古い文化が維持され続けるのである。そんな企業で、One Companyを言い出す時は、相当な副作用が出始めていることが多く、悪循環を早く断ち切るべくトップが動くことになる。しかし、これは極めて困難な仕事。

何故かといえば、そんな組織だと、単にサイロを壊すだけだと、一体感醸成どころか、バラバラになるだけだから。無理に統一しようとすれば、中央集権型の官僚組織化するのがオチ。こうなると、没落の危険性さえでかねまい。

ソニーがそんな轍を踏まないことを願うのみ。

そんな危惧の念を抱くのは、外から見れば、ソニーは、各組織が自己主張して頑張ってきたように映るからだ。大賀典雄体制で育てられたゲーム事業にしても、どう見ても、エレクトロニクスの組織から外されていた。だからこその成功と読むこともできる位だ。
このことは、例えば、巨大なTV事業組織のなかから、あるいは成功してしまったゲーム事業組織のなかから、サイロ横断的な新たな大事業を進めにくい状況がありそうということ。
しかし、もともと、そんなサイロ文化を突破して大企業に成長したのである。そこには秘訣があると見るべきでは。ソニーの創業者系の人達はそれをよくわかっていた筈。その辺りを洞察できるかどうかで、One Sonyの成否が決まるのでは。

成功物語では、既存組織の方針に合いそうにない企画を、トップの号令で始めたことが成功の秘訣とされる。しかし、それはその通りだが、想像するに、関係する組織は、ヒト、モノ、カネをそこに注ぎ込まされたに違いあるまい。サイロは互いにこの成果を自組織のメリットになるように頑張らざるを得ない状態に追い込まれた筈だ。
これが、サイロ組織でありながら、成果を生んできたモトだと思うのだが。

そんな息吹を感じさせる新体制ができれば変身できるのではないか。

ちなみに、以下が新組織。
CEO・・・平井
CFO・・・加藤
CSO・・・斉藤
●金融(ソニー生命、損保、銀行)−−−井原
●SCA(エンタテインメント)−−−M. Lynton
●エレクトロニクス
  根本・・・
     ・デジタルイメージング
     ・プロフェッショナルソリューション
  鈴木(国)・・・
     ・VAIO & Mobile
     ・ソニーモバイルコミュニケーションズ
  CEO直轄・・・
     ・SCE
     ・ホームエンターテインメント&サウンド
     ・SNE
  鈴木(智)・・・
     ・半導体
     ・デバイスソリューション
  吉岡・・・
     ・メディカル
 技術担当・・・根本
 商品戦略担当・・・鈴木(国)


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