■■■■■ 2012.5.27 ■■■■■

 日本型成熟社会文化が西洋に広がりつつあるようだ

かわいい言葉をいっぱい詰めた芸名で有名な、「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」嬢の、1stアルバムアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」が、5月23日リリース。

その途端、大々的な報道。
そうなれば、小生のような無関心層も、こりゃナンダナンダとなる。日本社会で生きていく以上、この現象を一応は知っておかねば村八分になりかねないと、とりあえずどんな調子か眺めることになる。

と言っても、残念ながら、エンタテインメント業界のプロモーション実態を余り知らないから、報道で引用されている数字をどうみるべきかはよくわからない。・・・オリコンデイリーチャート5/22付で1位。さらに、アメリカ、フランス、ベルギーのiTunesエレクトロニックチャートでもトップ獲得だそうである。記事によると、「CANDY CANDY」のYouTube総再生回数も5,000万回突破とか。
小生も、先日、一部をTVで見たが、ロサンゼルス公演では6000人が大興奮。確かに凄い人気。

オジサン用語では、作られたガキタレとされてきたらしいが、プロが仕立てるとここまでできるという好見本とも言えるのかも。
要するに、中高生の心を虜にするようなファッション性と中田ヤスタカプロデュース楽曲の組み合わせがウケているということらしい。
例えば、発売されたアルバムのコンセプトだと、遊園地“きゃりーぱみゅぱみゅランド”で遊ぼうといったようなもの。

成る程。
見事と言うか、天晴れ。

社会学者がどのようにこの現象を解説しているのか知らぬが、素人でもわかる流れ。
単純化すれば、ペット耽溺性、あるいは、幼児体質愛好癖となろう。言葉で言えば、「可愛いい〜!」というだけのこと。
これを社会性の視点で位置付ければ、周囲との摩擦をできる限り避け、空想的な仲間とコミュニティらしきものを共有する世界を作る流れとなろう。リアリティをできる限り消し、自分なりの戒律というか、儀式的な装いを作り上げる訳だ。従って、皆と仲良くなりたければ、徹底的な完成度を追求しているカリスマを目指して努力することになる。
言い換えれば、言葉のコミュニケーションを抑え、感覚の共有を最優先する閉じた社会をつくりあげる訳である。お互いに顔色を伺いながら、なんとなく同じ好みに収束させ、そんなプロセスを通じて仲間を作る世界であり、おカネに不自由しないなら、結構お気軽な社会といえよう。

それなりに健康的な生活を送ることが約束されていて、特段に不自由なことも感じなければ、こうなるという好見本では。
小さい時から、なにかと言えば、「皆と仲良くしなさい」という家族に囲まれ、大切に育てられ、そのまま成長し続けた結果と言えそう。両親の心情がそのまま子供に表出してしまった訳だ。

ただ、驚かされるのは、そんな若者が欧米社会でも増えていそうな点。
日本のように、精神的に自立しないでも生きていける成熟社会の方が居心地が良いと感じ始めている人が表に出てきた訳である。

これは怖い。
リアリティをとことん嫌う生活が可能な限りは、大きな問題にはならないが、経済状況が悪化してそれが崩されたら幻想は一気に崩れるからだ。
無気力化するか、切れるかの両極端に走るしかないのでは。

(記事)
世界的人気のきゃりーぱみゅぱみゅがJK時代に芸人のカキタレだった!? 楽天・インフォシーク 2012-05/26 08:00
ぱみゅぱみゅ、パリに進出! テレビ朝日(05/26 09:48)
きゃりーぱみゅぱみゅ、新作が国内外で1位 「最高の発売日」2012年05月24日 05時00分 ORICON STYLE


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