よりにもよって、6月25日の翌日に増税法案を衆議院で可決。民主党執行部は恣意的にこの日を選んだのだろうか。
五十日とは、決済の日。未だにそんな習慣があるのかという人も少なくないが、タクシーの運転手に聞けばどの位根付いているかすぐにわかろうというもの。
これだけなら、ふーん、そんな月末決済日の翌日だと何なのと感じるかも。
そう思うのは、申告納税で頭を悩ます人。
世は税の申告とは無縁な、節税しようがないサラリーマンだらけ。その人達の視点で考えて欲しい。そうすれば、すぐ気付く筈。そう、この6月25日は節目。サラリーマンにとっては、確定申告計算結果を眺めるような、一喜一憂する特別な日なのだ。
おそらく、政治屋を家業にしている方々にはそんなことはわかるまい。
どういうことかといえば、現実の手取り額が昨年と比べてどう変わるかわかる最初の日ということ。
当然ながら、給与明細で示されている額を眺め眇めつする唯一の日。
さて、そうなると、2012年のこの日はどうだったか。典型的な中堅でみれば以下のようなものでは。
・厚生年金保険料: 増額
・健康保険料: 増額
・住民税: 増額
・給与: 微増
・残業等: 時間量はまあまあ、単価は同じ
(子ども手当: 減額)
上記を眺めれば、中堅サラリーマンには結果的にどう映ったかは自明。従って、明けの26日朝の会話は決まっている。・・・
「イヤー、国にとられたお陰で、今年は減収ダネ。」
そして、この先、消費税増税が待ち構えている話題に移ることになる。
政治屋は、どうせ、昔の消費税導入と同じで、時間がたてばすぐに皆忘れると思っているらしいが、このインパクトはただならぬものだと思うが。ムードに流れる体質の人だらけの国なのだから、一面を大きく占める「増税法案可決」ニュースを、そんな雰囲気の時に流そうとはしないものだが。
日本の政治屋のセンスの悪さは特筆モノでは。特に、民主党など、都会のサラリーマン票を失えばどうなるかわかりそうなものだが。
つらつら思うに、そんな観点で一番能力が劣るのは、バラマキ議員だらけのなかで、細々と小さな政府を唱える議員達かも。
政治の流動化の切欠作りにほとんど関与できていないように映るからである。そもそも、主流や反主流になれる見込みも無いから、変化の波を作る気力を失っているのかも。バラマキ政治の影で、零細勢力として、家業をほそぼそと続け、主張を繰り返すだけでご満足の図に映る。理屈の正当性の解説など、学者や評論家の先生にまかせればよいのだが、それが商売になっているようだ。
これでは、給与明細を眺めて嘆息するサラリーマンの支持が得られなくて当たり前。