米最高裁がオバマケアに対して違憲判決を下して政治的大激動かとヒヤヒヤしていたが、結局は中庸の判決。
判事は、リベラル4人、保守4人で、残る1人のロバーツ最高裁長官が「メディケイドの本質が基本から変わったということを認める必要がある」とした結果。
ただ、連邦政府が州政府の支出に干渉することになる部分は無効との判断なので、「同法に従う意向のない州には行動の自由が生じる可能性」もあると見れるらしい。
流石プロ。国家を二分するような思想闘争を裁判で決着させる訳にもいかないから、皆さん、今年の選挙までにじっくりお考えになって、投票行動に反映して下さいなというところか。
当然ながら、ロムニー大統領候補は「裁判所がやらなかったことを私が(大統領になれば)就任初日にやる」と即時コメント。下院で過半数を占める共和党は、全力で法案完全撤廃に動く訳だ。
オバマ大統領は「全ての国民にとっての勝利」と語ったが、そう言えるのかははなはだ疑問。再選の可能性は高いらしいが、議会選挙では共和党優勢のようだから。
そんな予測が正しいなら、2013年は米国政治の空回りか。
皆さんご存知の通り、米国の金融政策は、バブル崩壊後の日銀政策そのもの。ジャブジャブ金を流し込んだが、経済成長に弾みはつかなかった。俊英の頭脳をしても妙案は浮かばないから、経験豊富な日銀に教えてもらうしか手はないのである。
政府も日本同様に借金が積みあがり、カネ詰まり。財政政策どころではない。2013年は強制的歳出削減開始かも。
雇用増出政策の効果もさっぱり。と言うか、バラマキで落ち込み阻止をしてきた日本政府と同じ状況に陥りつつあるだけのことか。
これに、大統領v.s.議会のゴタゴタ政治が加わったりすれば、まさに混迷日本の二番煎じ。
米国の学者達には、是非とも「先進国」日本研究をして欲しいもの。ご教訓を理論化して頂ければ突破口も見つかるかも。
(記事)
米最高裁、医療保険改革法の根幹部分を支持する判断 2012年 06月 29日 03:31 JST ロイター
米最高裁、医療保険改革法は大筋で合憲との判決 2012年 6月 29日 7:28 JST WSJ日本版