特許系の視点で、各国のイノベーション創出力とその展開力を採点したグローバルランキングが発表された。なかなか面白い。
採点は結構妥当そう。
触れてみたくなったのは、先日、日本が目標としているのはアイルランドかネという駄文を書いたばかりだから。そのアイルランドが、米国や10位圏外に落ちたカナダより上位なのである。
Global Innovation Indexトップ10の国々をあげておこう。
・1位は定位置化しつつあるスイス。
科学者なら住みたくなりそうな国だし。
INSEAD流評価ということもある。
・北欧諸国(スエーデン、フィンランド、デンマーク)は当然入ってくる。
「知」で食べるべく決心した国々だからそりゃそうだろう。
・アジアの都市(シンガポール、香港特別行政区)は今後も堅調そう。
・米国はもちろん入るが10位。
・そして、アイルランドが9位
・英国とオランダもランクイン。
・日本は?
論外といえそうな、25位。
日本の特徴は、創造性に恐ろしく欠けると評価されている点。
まあ、早い話、スイス、スウェーデン、シンガポールが相変わらずだネということ。付け加えるなら、中国が34位まで来たこと。かつての日本のような調子。
日本は、この先、起業がさらにできにくくなりそうな雰囲気。なにせ、地産池消や脱成長経済路線に反対する者は肩身が狭い社会ができつつあるのだから。知恵でグローバル展開しようと考える業種・業態も、相変わらずほんの一部。順位は低下一途と見てよかろう。
そんな話をすると、それが何だと反撥をくうのが、日本の今の状況。アンタ、そんなことより、命の大切さを少しは考えたらどうかと言われたりする。「日本の復活を信じ、皆で頑張ろう」を叫ぶ方々の大半はこの手の発想で動いているのかも。なんだかね。
研究者・エンジニアには、是非とも、そこを理解して動いて欲しいもの。
新しい試みはことごとく邪魔され、なにもしない人達に都合の良い部分だけ、成果をつまみ食いされるのではかなわないと思うが。グローバル競争で勝ち目があるとしたら、どのような体制で臨むべきか、自分達の強みを見据えて、じっくり考える必要があると思うが。
ついでながら、Global Innovation Efficiency Index トップ10もまとめておこうか。
・当然ながら、中印がトップ。
・欧州多し。(モルドバ、マルタ、セルビア、エストニア)
マルタやエストニアは富める国と見るべきだが。
・アジアではスリランカ。
・新世界ではパラグァイ。
・驚くことにスイスとオランダが入る。
中印以外のBRICSも、もっともっと力を入れよということ。ここら辺りに東南アジア諸国が登場するようになっていないのは、日本の踏み込みがその程度で来たということでもあろう。
(発表サイト) Release of the Global Innovation Index 2012: Switzerland Retains First-Place Position in Innovation Performance, July 3, 2012 WIPO
http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2012/article_0014.html
(過去記載)日本の将来像として参考にしたい国(20120630)