■■■■■ 2012.7.10 ■■■■■

  猿人化石の系統図は余りに恣意的

なんとなくではあるが、考古学的な人類進化の話には胡散臭さを感じる。
他の種同様に、難しい名前がついているが、ほんの一部分の骨の化石や石器が出土している場合がほとんど。化石の年代推定が合っているとしても、それが種を代表すると見なしてよいのかもわからないし、素人にしてみれば、勝手に解釈できる「科学」分野に映る。
と言うか、基本ストーリーに合わせて、出土化石を位置づけているようにも思えてくる。別な見方もできそうに思うが、おそらく、その手の研究はほとんどされていないのではなかろうか。

厄介なのは、化石猿人には、何がなんだかわからぬ名前がついており、素人にはとっつきずらいが、下記のように整理し、強引に「★」の系列を主軸にした流れだけ注目すればえらくわかり易い。ここから外れたものは傍流あるいは亜流と見なせばよいだけ。

要するに、ホモ族はアフリカを出発し、グルジア辺りに到達。そこから様々な方向にさらに進出し、地域毎に様々な派生種が生まれる。そして、ホモ・エレクトス種の系統以外は絶滅。欧州方面に進んだ種が現生人類の基本型と言いたいのだろう。もちろん、二足歩行の猿人の原型はエチオピア出土のメス、「ルーシー」である。
○森林系アジア類人猿現存種
   ・オラウータン、テナガザル
○森林系アフリカ類人猿現存種
   ・チンパンジー、ボノボ、ゴリラ
○ホモ現存種
   ☆現生人☆ サピエンス
●ホモ化石
   ★現生人類近系★ クロマニョン人
   ・(アルタイ亜種)デニソワ人
   ・(インドネシア島嶼化人)フローレス島人
   ・(欧州寒冷地亜種)ハイデルベルク人/ネアンデルタール人
   ★真正原種★ エレクトス
   ★グルジアの原種★ ゲオルギクス
   ★エチオピアの器用そうな準原種★ ハビリス
●アウストラロピテクス(アフリカ系猿人)化石
   ・(ホモと同年代)ルドルフエンシス[ケニア]、ロブストス[南ア]
   ・(新猿人)ガルヒ[道具使用]、アフリカヌス[南ア]
   ★真性猿人★ アファール地区:「ルーシー」、「カダヌームー」
   ・(古猿人)アファール地区ブルテレ地域[木登り可能]
   ・(古々猿人)バーレルガザリ[チャド]、アナメンシス[ケニア]
   ▲(頑丈タイプの傍系)パラントロプス系
●森林系 前アウストラロピテクス化石
   ▲ラミダス(エチオピア)
●森林系 前アウストラロピテクス最古化石
   ▲カダバ(エチオピア)
●出土した最古化石
   ・オロリン(北ケニア)
   ・サヘラントロプス(チャド出土)

確かに、メスが受け継ぐ遺伝子型で見れば、現存人類ではアフリカが発祥で、そこからの最終派生として、アジア変異集団とヨーロッパ変異集団が存在する状況とされている。その分岐に合うように化石を当てはめれば妥当そうに見えるのはわかる。しかし、どこか胡散臭さが残る。
古い化石がエチオピア・ケニア辺りから出土しているのならわかるが、そこから遠く離れた南アフリカやチャドから出土しているので、納得感が生まれないのである。そこまで広がっているなら、どうしてアフリカ外には進出できなかったのだろう。もともと骨分解が発生しない土壌地帯でしか化石は存在しない。そんな地域ですべての地域を代表させる発想には無理がありそうな気がするが。
現存類人猿系の化石はあるのかもよくわからん。滅多に見つからないとしたらどういうこと。まさか、ヒト系は進化したが、類人猿系はほとんど進化せず、絶滅種もなかったと考える訳でもあるまい。


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