高尾山は、突然気が向いた時に、すぐに出かけるところ。
登山というより、散歩に毛の生えたようなものというのが小生の感覚。明治神宮の杜とどちらに行くかといった感じ。なにせ、時間的に近いし、電車は頻繁に出るので時刻表不要。思い立ったら何の準備無しに即出立と、お気軽そのもの。
従って、デッキシューズに、短パンとポロシャツ。それにパナマ帽という、実にいい加減な格好だったりする訳である。とはいえ、ケーブルカー/リフトの類は乗らないし、舗装道路コースを歩く気も全くないから、そんな服装でもカテゴリー的にはハイキングである。
もっとも、以前はしっかりした靴を履き、コッヘルとガス持参だった。その頃の好みのコースは、高尾山口駅発、城山経由、相模湖駅着。桜の季節以外は人が少ないのが嬉しい。ただ、夏は暑すぎるが。
ところが、高尾山の登り口辺りに観光客が溢れるようになってしまい、そのなかに紛れ込んで歩くのも、なんとなく場違いな感じがしたのでこのコース歩きを止めてしまった。
しかも、さらなる追い討ちを喰った。ミシュラン3つ星である。そうでなくても、団体が遠足に選ぶ場所だというのに、混雑大好きな方々が大挙して押しかけるから雑踏間違いなし。土日祭日に遊びに行くなどもってのほか。
と言うことで、いかにも空いていそうな日を狙って、サッと行って来た。一寸、日付を間違えたことに気付いたが、後の祭り。・・・麓に下りて、瓶ビールと蕎麦で一休みするのが小生の慣わしだが、お店が夏休みだったのである。ガッカリ。
イヤー、それにしても、驚いたのなんの。
思ったほどは混雑していなかったのだが、山道ですれ違う人はそれこそ老若男女様々だったから。まあ、それは昔から高尾山の一大特徴だが、服装は千差万別だったように思う。
ところが、今はそんな風情は全く感じられない。皆、ピッタリとお揃いの服装。コリャなんなんだい。
なんといっても目立つのが、立派な山靴と長袖シャツといういでたち。
超低山だから夏は矢鱈に蒸し暑いのに、よりもよって風を通しそうない素材とくる。そんなんで大丈夫かいな。それに加えて、山用と思われる長パンツ。どういう訳か首にはバンダナ。非常時の止血帯用かな。
ひょっとすると、山道歩きに服装ルールができたのだろうか。小生はルールも守らない非常識な輩と冷たい目で見られていたのかも。
ただ、帽子のスタイルは各自勝手に決めてかまわないようだ。
そうそう、ほとんどの人が、いかにも高価そうなストックご持参なのも特筆モノ。高齢者ならわかるが、若い人まで。しかも、5割ほどはダブルだ。
御岳から大岳山やロックガーデンなら、夏でもそれなりに涼しい時もあるから、ありえそうな服装だが、ここは高尾山。ケーブルやリフトを使って、ビーサンお兄さんや、サンダルシューズのお嬢さんがやってきて、ケータイで山頂記念写真を撮る山。そこまでする必要があるのだろうか。僅か、3時間程度のハイキングに実にご大層なことと軽口を叩きたくなってしまう。
もっとも、そんなことを口にする輩は、ファッションセンスゼロの垢抜けない輩ということか。
(参考になるかも)
山崎光夫:(第87回)山登りの効用(その1) 東洋経済オンライン 12/07/10 14:07