先日、世界をリードする「日本再生戦略」なる全面広告が主要紙に掲載された。
パッと見には、以下のような方向性を示しただけの代物。
・電気自動車実現
・新薬開発力強化
・中小企業海外売上比率向上
・女性就業率向上
・観光立国化
・農林漁業の多角化
まだ懲りずに、特定産業に補助金や特典のバラ撒きを続けるつもりのようだ。国家戦略と言葉だけはご立派だが、バラ色の将来産業を指定しただけで、中味は空っぽ。と言うか、民主党にも族議員集団ができつつあるというだけかも知れぬが。
多分、自民党が長く続けてきた「産業政策」を踏襲する以外に、なにも思い付かない人達しかいないのだ。これでは、どうにもなるまい。
まあ、民主党には、計画経済路線大好き議員が結構いそうだから、国家が成長産業を決め、そこに国のカネを注ぎ込む仕組みを作りたがるのは当然かも知れぬ。
その視点では、政権交代の成果は実は着々とあがっていると言えそう。バラ撒き額は自民党時代を軽く凌駕したし、郵政も国有化へと舵を切り返したのだから。
それにしても、唖然とさせられる広告内容である。
なにせ、全体に流れるトーンは「国家主導で産業を育成しよう!」調なのだ。良き時代のノスタルジーを感じさせるほど。確かに、その意味では「再生」そのものではあるが。
それに加え、バラバラと寄せ集めた印象はまぬがれようがない。まるで学生が徹夜で急遽仕上げた宿題のようなもの。いかにも、政権末期の仕事といった感じが出ており、それはそれで佳作といったところか。
おそらく、個別に官僚にまとめてもらい、それをバインディングしただけなのだろう。それが、文字の多さを誇る一大労作だったりしたら大笑いだが。
結局のところ、新聞屋に全面広告費を払うことが目的だったということかな。その後のマスコミの状況を眺めた印象で判断すれば、大成功だったのかも。