■■■■■ 2012.8.8 ■■■■■

  高尾山ハイキングマップの見方

どういう訳か、高尾山で歩いていると道を尋ねられる。疲れた顔で、「あとどの位で頂上ですか?」というのではなく、「この道って滝に行くのですか?」という手の質問。

そこらじゅうに道の標識があるし、ルート解説付きの地図が載っている無料リーフレットもあるのに。どうなっているのか、不思議だったのだが、ようやくわかった。地図の書き方が曖昧だし、ルートの名前がわかりにくいので、初めての人には、よくわからないのである。

要はこういうことである。ポイントを書いておこうか。
●一般的な登り口(下山口)は京王線「高尾山口駅」から徒歩数分のケーブルカーの駅前広場が出発点。
この駅名が誤解を招いたりする。ケーブルカーは「清滝駅」。同じ建屋から階段を登るだけのリフト乗り場は「山麓駅」。その終点はそれぞれ「高尾山駅」、「山上駅」と名づけられている。山道の標識に時々「清滝方面」と書いてあるが、それはこの駅方面とすぐにわかる人は稀。「びわ滝」や「蛇滝」と間違ったりしかねないのである。
●先ずは、上り方(下り方)を整理しておこう。「○号路」という名称だと、どう違うのかすぐにわからないのが難点。言い方を変えれば自明。
ともあれ、ケーブルカー駅舎前広場から出発/下山が普通。チョイスは、(A)舗装道路中心の一般コース、(B)谷筋、(C)尾根筋。登山というほどではないと考えるなら、人の流れを見て、その場で決める手も。
  (1A-1) ケーブルカー
  (1A-2) リフト
  (1A-3) 杉林内の舗装道路[1号路]
   蕎麦の高橋屋沿いの成り行き上り道を進む
   リフト、さらにケーブルカーの終着駅まで歩くだけの話
  (1B) 渓谷的コース[6号路]
   ケーブルカー駅左の川沿い道路を進む
   川沿い-渓流沿い-階段型山道
  (1C) 尾根道コース[稲荷山コース]
   ケーブル駅左の川を渡り山道へ入る
以下の2つは、駅からの便が今一歩なので、下りを選ぶことが多い。
  (2:相模駅) 山頂から城山に出て、山を下り、街中をひたすら相模湖駅へ
   山頂から城山は尾根一直線
  (3:街道) 蛇滝を経て旧甲州街道
   ケーブルカー終着の展望台付近から
   高尾駅まで長時間道路を歩く(下山口近くにバス停はあるが)

朝から一日かけて縦走的に歩きたいなら、城山から影信山、さらには陣場山までのコースもある。身支度はしっかりしておく必要がある。影信山か、その手前なら小仏に出る。陣場山まで行った場合は、和田峠を経て陣場山下に出る。バスで高尾駅に出る。
●一般道は、ケーブルカーあるいはリフトの終着駅から道なりに山頂に至るコース。1号路と名づけられている。以下のように連続しており、極めてわかり易い。しかも、乳幼児連れが歩ける。(トイレが対応。)従って、天候に恵まれた土日祭日は雑踏と考えた方がよい。
(1:アプローチ) 上記(1A-3)杉林内の舗装道路
(2:平坦な舗装道路と休憩施設) リフト「山上駅」→ ケーブルカー「高尾山駅」→ 展望台や茶屋
(3:平坦な舗装道路と観光) さる園/野草園→ たこ杉
(4:薬王院直近参道) 浄心門→ 男坂[108階段]か女坂→ 茶店→ 杉苗奉納道→ 茶店
(5:境内) 山門→ 薬王院→ 奥の院(階段)
(6:山道) 林の中の比較的広い道を歩く
(7:山頂域) ビジターセンター→ 茶店→ 展望台
●わかりにくいのは、児童や生徒の自然研究(教育用)コースが設定されているせい。と言うか、その名称が、2号路、3号路、4号路といった数字なので、覚え難いのだ。歩く側から言えば、これらは、一般道の雑踏を避ける巻き道のようなもの。
 ・ケーブルカー駅舎前広場から山頂に至る一般道が「1号路」
 ・上記(3)部分の迂回山道が「2号路」
  右側(北)も左側(南)もあるが、両者ともに「2号路」
 ・左側(南)「2号路」には分岐がありその先も迂回可能・・・「3号路」
 ・右側(北)「2号路」には分岐がありその先も迂回可能・・・「4号路」
 ・4号路途中に分岐があり、山頂域手前で一般道に合流・・・[いろはの森コース]
●山頂域をグルッと周回している道が「5号路」。これを理解しておかないと、標識を見てもすぐに理解できない。一般道[1号路]、尾根道コース[稲荷山コース]、城山方面は頂上からそれぞれの方向に向かう道があるが、渓谷的コース[6号路]と上記の分岐コースは5号路に繋がるだけ。それがわかっていれば迷うことはない。

ただ、「○号路」は単なる道というだけでなく、植生がかなり違う点に注目したいもの。予備知識があると山道歩きをさらに楽しめるかも。
 ・1号路の参道は杉並木。アプローチ周囲も杉林。
  渓谷的コース[6号路]も杉。
  頂上域コース[5号路]は江戸期の植林杉。
 ・2号路北は薄暗い感じで、イヌブナ中心の林。
 ・2号路南はこんもりとした常緑樹の林。
 ・3号路はカツラ林がある。
 ・4号路は落葉樹が多い。稜線に出るとモミ。
 ・4号路分岐のいろはの森はブナ林。
武蔵野らしさ紛々。

(本稿を書くきっかけの記載) 夏の高尾山ファッション(2012.7.24)


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