■■■■■ 2012.8.11 ■■■■■

  ついに異常気象多発時代へ突入か

米国はとんでもない熱波に襲われているようだ。旱魃による農畜産業の被害も深刻そのもの。
これを、いよいよ恐れていた異常気象多発が始まったと見るか、まあ、そういう酷い年もあるものヨと考えるかは、ヒト様々。

NASAの気候科学の専門家が、温室効果ガスが溜まり続けると、そのうち過酷な気象が頻発するようになると、テレビでのインタビューと議会証言をしたのが1988年のこと。
それからはや20年以上たったのだが、専門家集団の統計分析結果によると、ついにその時が来たと見なすしかないのだそうである。
異常気象発生確率が高まっており、温室ガスによる気候変動以外に原因は考えられないというのだ。

さあ、これを聞いて、日本の自称エコ派はどう舵を切るつもりなのだろう。
原発を廃止すれば、温室効果ガスの大量発生は免れないのだが。しかも、日本の場合、どう見ても、自然エネルギーによる代替はとうてい無理とくる。・・・もっとも、そんな話をする輩は、原発推進論者ということで、人類の敵とされるのかも知れぬ。おそらく、化石燃料が及ぼす影響より、他のファクターを重視すべしと騒ぎ始めるのだろう。
だいたい、化石燃料をジャブジャブ燃やしておいて、その電気を使って動かす自動車のどこがエコ的貢献に当たるのか、小生には全く理解できない。タクシーなどで見かける天然ガス自動車の方が余程エコである。原発廃止なら、電気自動車開発は止めるしかあるまい。

さらに、国外にも原発廃止を要求するのだろうか。そうなると、中国は石炭を燃やし始めるだろう。なにせ安価で多量にあるから逆戻りである。温室効果ガス発生が加速度的に増えること間違いなし。
そんな方向に進めば、東アジア一帯は、ただならぬ公害被害を受けかねない。まさか、それでも結構という訳ではないと思うが。

リスクとベネフィットのバランスを考えた議論ができない原理主義者だらけだから、日本は、もう、どうにもならないようだ。日本が温室ガス発生容認の旗振り役になっていると言われないようご用心のほど。

(記事)
Bell weather A statistical analysis shows how things really are heating up Aug 11th 2012 The Economist
To limit climate change, think worldwide by Harold Wackman August 10, 7;09AM Washington Post
Heatwaves blamed on global warming Unusually high frequency points to human influence. by Jeff Tollefson 07 August 2012 Corrected: 08 August 2012 Nature
[邦訳] 熱波や干ばつ、原因は地球温暖化Ker Than for National Geographic News August 7, 2012
[邦訳] 最近の熱波は地球温暖化が原因−NASAの科学者が報告書 Recent Heat Waves Caused by Global Warming, NASA's Hansen Says 8月5日(ブルームバーグ)


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