■■■■■ 2012.9.11 ■■■■■

  どの政党に一票入れるべきか悩ましい

民主、自民、双方が党首選挙に突入し政治の季節が始まった。
しばらくはこの話題でもちきりになるのだろう。と言っても、政策の話ではなく、候補者支持人脈の解説やドロドロした内幕話が新聞を賑わすだけ。ただ、今回は、両党とも最初からほぼ予想通りの展開で進んでおり、盛り上がりにはえらく欠けるが。
それでも、維新党の動きに関する情報は、しばらくは流れなくなりそう。全国政党として衆議院選挙に臨む体制作りが始まったばかりだから、本来なら、その辺りが報道されてしかるべきなのだが。なにせ、橋下市長以外にどんな面々が揃っていて、一体どのように候補者が選ばれるのか、さっぱりわからず状態なのだから。
もっとも、有権者の約3割を占める既成政党支持者だけは、そんな状態大歓迎だろう。なにせ、世論調査結果によれば、来る衆院選挙で維新党が得票率トップに躍り出る可能性ありと言うのだから。

それにしても、維新党のブームには恐れ入る。9日の討論会で弾みをつけて、衆議院選挙で議席の過半数を狙うつもりとか報じられているが本当なのだろうか。ここまでくると、小選挙区制度だから、一票を有効に使うためには、民、自、維の三択問題に迫られる。二大政党政治は破綻しているので致し方ないとはいえ、はてさてどうしたものか、悩ましい限り。
ということで一寸考えてみた。

(1) 民主党の評価
民主党は期待通りの成果をあげてくれたと言ってよかろう。自民党が財源難でバラマキに四苦八苦しているのに、それを上回る大バラマキ路線を真面目に追求してくれたのだから。そのお陰で、望んでいた通りの結果となった。・・・財政破綻状態が誰の目にもわかる状態になったということ。年金医療介護福祉も立ち行かなくなっていることをはっきり知らしめてくれた訳で、よい仕事をしてくれた。
そうそう、「事業仕分け」業務を当然視する政治風土に変えてくれたことも大きい。国政レベルでは、すでに破綻している国家財政建て直しにはなんの役にもたたないとはいえ、様々な行政組織でそのやり方に習って検討会がもたれるようになったのは大きな進歩。良い仕事をしてくれた。
ただ、これが終われば、もうご用済み。経済の規制強化だけご熱心で、TPP参加の気力も失せているから、すでに存在価値はほとんど無いと言ってよかろう。
後は、旧社会党のようにフェードアウトして頂ければ最高なのだが。もっとも、衆議院選挙でベタ負けしても、地方議員や支援組織が地盤を固めているから、そうは問屋が卸さないといったところか。

(2) 自民党の評価
自民党だが、こちらは政権を奪われたにもかかわらず、何も変わっていない。バラマキ経済政策を続けることに精を出すだけの、時代ズレした政治屋集団が未だに主流。
だいたい、財政破綻を言い出したのは確か宮沢蔵相で、呆れるほど昔の話だが、当のご本人も含め、その後、ほとんど何もせず状態。従って、この党の本質は、構造改革阻止勢力そのものと言ってほぼ間違いなかろう。・・・と言うのは余りに失礼か。橋本首相と小泉首相がそれなりに動いたのは確かだから。しかし、この党は、麻生首相のように、問題を先送りしてバラマキを続行させる方針が基本。それなくしては派閥が成り立たなくなるからである。
ともあれ、現在は、民主党自滅の図を目にして、政権奪回で全国ハコモノ作り再開に目途がついたと大喜びしている状態。当然ながら、米国から余程の圧力がかからない限り、TPP参加など論外。従って、この党は、ナショナリズム精神を鼓舞することで経済没落を覆い隠す政治を進めることになろう。時代の波が読めず、ついに資本主義政党でなくなってしまったと言ってよいだろう。要するに、賞味期限切れ。
(そのように見れば、総裁選挙とは集票力向上イベント以上でもなければ以下でもないことがよくわかる。TPP参加賛成だし、脱原発とは江戸時代回帰政策でしかないと正直に語る候補が出馬したところで、この組織内では間違いなく亜流のまま。政権の座につかない限りバラマキ采配ができないから、なんであれ場当たり的に利用するのが、この政党の伝統。)

(3) 維新党の評価
民主党も自民党も、どう見たところで第一義的な役割からすれば、選挙互助会。そして基本方針とはバラマキによる効率的な集票。維新と名付ける位だから流石にそんな真似はしないだろうと思っていたら、なんのその。まさに、同じ穴の狢。
党として、TPP参加を明確に打ち出したにもかかわらず、全国政党立ち上げのメンバーがこともあろうにTPP反対派のリーダー。民主党内で勉強会を組織化し、幹事長におさまった御仁とくる。
それだけではない。大バラマキと中バラマキで対立しているだけの既存政党を打ち破る気概を感じさせるような発言をしていたにもかかわらず、それも引っ込めたようである。バラマキ反対ということで、小さな政府路線への大胆な転換を図る訳では無いのである。なにせ、大きな政府派の公明党を友党扱いするというのだから。大きく掲げている議員定数削減も、公明党が是認するとは思えないから、大衆ウケするスローガンを掲げただけで本気で進めるつもり無しということ。だいたい、そんな瑣末な課題を掲げ、肝心の小さな政府の話をしないということ自体、なんだかね。
当選のためならなんでもありの既存政党のやり方となんらかわらない。
おまけに、民主党よりエネルギー安全保障の感覚が薄いとくる。夏の間だけの原発稼動を考えたらというトンデモ論を平然と語ったりするところを見ると、スタッフも抱えていないのでは。今の地方政治ならそれでもどうにかなるが、国政には不向というか、危なさすぎる。小選挙区毎に手足となる組織も皆無なのに、ムードで一気に過半数の議席奪取という方針自体が無茶苦茶ではあるが、既存政党にまかせてもどうせ日本沈没以外にあり得ないのだから、賭けてみないかということか。
まあ、一般には、その手の賭けは大損するのが世の常。手を出したくない。

こりゃ、どれもこれも駄目だね。そうなると、一体全体どうしたものか。どの政党に一票入れるか、実に悩ましい。
それぞれの党が今後どう変わっていきそうか予想しての投票しかないかも。

この場合、注意すべき政策は2つある。

(A) 道州制型統治確立
維新党の大人気で、この話が盛んになるのは間違いない。おそらく、消費税の地方税化で既存政党との違いを先鋭化させるのだろうが、この手の見かけの「自立」にたいした意味はないと思う。制度をいくら弄くり回したところで原資が増える訳ではないからだ。問題は、経済的に「自立」できず、他所から税金をもらってどうにかこうにか経済が成り立つような自治体だらけという点。
バラマキ政党しかないのは、こうした地域にはカネを流すしか手がないからだ。
だいたい、このご時世に、未だに工場誘致、交通網整備、農林水産業の基盤インフラ作りといった、30年以上も前から行ってきた政策を喜んで続けている自治体ばかり。今や、雀の涙のような税収増さえおぼつかない状況でも、他に考えつかないのである。と言うか、税金による関連投資とその後に重くのしかかるメインテナンス費用で地域の人々を食べさせる政策を続けているだけのこと。この状態で、統治制度が変わったところで、状況が一変するとは思えないが。そもそも、まともな政治家が存在している自治体なら、制度など関係なく、とっくに変わっているもの。逆に、制度が変わったところで、腐敗した政治ボスは消える訳ではないのだから、彼等が直接財布の紐を握ったらどうなるかは自明なのでは。

(B) TPP参加
小生は、本気で「維新」を実現したいなら、そのとっかかりはTPPしかないと考えている。
TPP体制になれば、税金にぶる下がるだけの業界は確実に沈没するからだ。それを防ぎたいなら、当事者が必死になって変身を模索するしかない。従って、今迄力を持っていた業界内調整役やフィクサー達は邪魔者と化す。そして、挑戦的な人達が新たな取り組みを始める筈。もちろん、成功もあれば、失敗もあるが、それがビジネスというもの。その結果、新陳代謝が進み、産業構造の大転換に繋がっていく訳だ。これしか日本沈没を防ぐ道はなかろう。

・・・碌な政党がないのだから、考えたところでどうにもならないが。

ただ、日本の政治が世界の流れと無縁でいられる訳もなく、これから大きな変化が始まるのは間違いないところ。さすれば、政党再編は必至だと思われる。そんな状況で急いで選挙に踏み込んだところで、たいしたメリットなどないのでは。実態がよくわかる時間的余裕も欲しいところ。TPP反対でナショナリズムを煽ろうとしている候補者かもよくわかるし。そんな人達をできるだけ議会に送り込まないように一票を投ずるのがベストということ。
その観点から言えば、衆参同時選挙が望ましい。

(NHKの維新党に係わる記事)
国会議員7人参加 「維新」新党結成へ 9月10日 4時22分
「維新」国会議員らと討論会 9月9日 19時23分
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