■■■■■ 2012.10.4 ■■■■■

  ビスフェノールA問題がまだ続いているとは知らなかった

ビスフェノールAの大騒ぎは終わったと思っていたのだが、どうもそうではないようである。日経メディカル海外論文ピックアップにビスフェノールAの話が登場したので、一寸、検索してみたら、又、反対運動が始まる感じ。

厚生労働省食品安全部基準審査課の「ビスフェノールAについてのQ&A」は、平成20年7月8日作成で、最新更新は平成22年1月15日。読む限りでは、とりたてて気にすべき物質とは思えないが、目の敵にしている人達が大勢いるようである。

そもそも、実験データから見て、成人が1日数ミリグラム摂取して、性ホルモン的に作用する兆候が出るかも知れないという話。食品中の微量成分をいかに合算しようが、そんな膨大な量に達する可能性はほとんど考えられまい。しかも、体内ですぐに分解されるか、水溶性だからそのまま排出される物質なのでは。
様々な化学物質に囲まれて日々生活しているなかでは、一過性の性ホルモン的影響があるという物質でしかなく、比較的安全に映るのだが。
様々な危険物質をほったらかしにしているのに、どうしてビスフェノールAだけをそこまで敵視するのか、はなはだわかりにくい。こんな微量を問題にするなら、草木に含まれる発癌物質や正真正銘の毒物の摂取量は桁違いに多そうだが、それは工業製品ではないから検討する価値が無いということなのだろうか。

およそ、科学的な主張とは思えないが、乳幼児の影響はよくわからないから、哺乳瓶を成分フリーにしておいた方が気分的に良いというなら、それはそれで結構な話。関連産業は大損だろうが、マクロで見れば無駄な労力を割かずに済むからだ。

そう思っていたら、敵視者にとっては、そうは問屋が卸さないゼ、ということのようだ。今度は肥満問題。

要するに、全廃運動を進めたいのだろう。
しかし、現代の生活を続けるには、ビスフェノールAを使うエポキシ樹脂なくしてはとうてい無理。従って、なんとかして、敵視するタネを探っているということか。その手の方法論が広まったりすれば、中世逆戻りではないかと思うのだが。

(記事)
JAMA誌から 尿中ビスフェノールA濃度が高い小児は肥満が多い 約3000人を対象とした米国の研究 by大西淳子 2012.10.1 日経メディカル オンライン
Animal Study Ties Common Chemical to Reproductive Problems BPA linked to disrupted egg development, miscarriages and birth defects September 24, 2012 (HealthDay News) U.S.News & World Report
BPA Levels Tied to Obesity in Youths (blog) By NICHOLAS BAKALAR September 24, 2012, 4:41 pm NYT
Canadian Government Backs BPA in Food Containers By KATIE MOISSE Sept. 27, 2012 abc NEWS
CDC Updates Data on Levels of Chemicals In Children, Adults; Bisphenol A Levels Down Monday, October 1, 2012 from Daily Environment Report By Pat Rizzuto, Bloomberg BNA


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