■■■■■ 2012.10.10 ■■■■■

  プロ野球選手の引退会見を拝見して

プロ野球のニュースは全く見なくなって久しいが、珍しく眺めることになってしまった。現役引退選手の最終試合の話がでてきたから。

なにせ、ファンは、感激、感激、又、感激。
これに対して、小生は、ほとんどなにもわからず状態。コリャ流石に不味いかという、一寸したきっかけ。

その引退されたお方とは、四番エースの金本知憲外野手。1968年生まれで、現役野手最年長。日本プロ野球の連続試合出場記録では現役最多、歴代2位。ベストナイン7回。
愛称はアニキだそうだから、面倒見がよい苦労人イメージなのだろうか。
数字から見れば、未だに通用する「巨人長嶋」と双璧のヒーローだが。
と言うことは、チーム最強打者というだけでなく、併殺打が少ない上に、ココ一番のシーンで力を発揮するバッターだったということからきた綽名でしかないか。

引退を表明後、1カ月経ってからの最終試合だったが、会見は、満身笑み状態だったらしい。球場を揺るがすような大声援で絶興奮といったところか。流石、阪神タイガース文化。

最終試合で、「あと2打点で長嶋さんの記録を超えられるということだったんで、感傷に浸る間もなかったです」と発言しているように、個人記録に関心を見せないことが美学だったようである。と言うか、チームプレーヤーとしての誇りと見るべきだろう。
しかも、「もっと練習しとけばよかったなとかこういうやり方があったなという悔いもあるし」という発言まで。実際、チーム一番の練習熱心だったと言われているそうだ。
だからこそ、リーダー役として、チームを牽引できたと言えるのかも。

実は、この話をしたかったのではない。一方で、対照的な引退があったから。会見は9月28日のこと。
こちらのお方はニュースにたびたび登場した城島健司捕手。紹介するまでもないが、1976年生まれで、日本シリーズ優秀選手賞2回、ベストナイン6回。

実績もさることながら、日本では珍しいタイプの選手ではなかろうか。別に驚くようなことではなく、「家族命」の世界で生きていることを平然と語るだけにすぎないのだが。

良く知られているようにネクストバッターズサークルにて、バットで家族のイニシャルを描くしぐさをしてから打席に立つ。コレ、日本では、なかなかできることではない。
仕事に家族の話を持ち込むなとえらい剣幕で怒る人が沢山存在する社会なのだから。それを知りながら、平然と家族からの日々の評価を最優先していることを表明している訳である。たいしたもの。
引退会見でも、その姿勢は貫かれた。・・・
「まず自分の家族に伝えました。嫁と子供に今シーズンでユニホームを脱ぐよと」。「子供たちはまだ小さいので毎日、親父が家にいるということは素直に喜んでましたけど…。嫁は『ご苦労さん』と言ってくれました(涙を見せる)」。
コレ、常套文句とは違い、人柄がにじみ出ている。「お酒を飲みながら、何回も息子や孫たちに自慢話をするように、そうなれるような素晴らしい野球人生」を送れたことに感謝しているというのだから。
今後の予定で決まっていることとしては、「明後日に子供の運動会があります(笑)」。
そして、最後に、「あの…すみません。息子に城島家の教えとして人前で男が泣いて良いのは3回だと言ってるんですけど、一回目は初優勝のときに泣きましたし、二回目は今…泣きました。(今後は)4回にします(笑)」。
流石、トッププレーヤー。

(記事)
さらばアニキ!金本「野球の神様ありがとう!」…阪神 2012年10月10日06時00分 スポーツ報知
「ゆっくり旅行でも」一問一答/金本引退 2012年10月9日23時59分 日刊スポーツ
城島「泣くのは2回目」会見の主な内容2012年9月28日 デイリースポーツオンライン


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