あいかわらずのダラダラ90分演説で、胡錦濤主席引退。
中国ウオッチャーは、こうした演説でのキーワード使用回数の変化を調べるらしい。
分析の結果、「改革」は後退と出たそうナ。
ソリャ分析するまでもない話。政治的改革に大きく一歩踏み出しでもしたら、それこそ「中国の春」勃発間違いなし。従って、その引き金になりかねない経済・金融の改革も、今や疫病神化し始めている。なにせ、既得権益層の大反撥を招くこと必定だから、政権首脳間抗争が熾烈になるから厄介そのもの。もっとも、その前に、どこぞの解放軍区が動いたりしかねず、そうなると、それこそクーデターの可能性さえなきにしもあらず。それを考えると、経済・金融改革も恐ろしくて腰が引けて当然。カリスマ指導者登壇なくしては、カネと人事を駆使した懐柔策を打ちながら、曖昧な形で少しづつ方向を修正していくしかなかろう。
そういう意味では、次ぎの政権がなすべきことはほぼ決まっているということかも。
演説中の単語で言えば「平等」。要するに、社会的不均衡問題に取り組む姿勢を見せて、社会安定を図ることにつきよう。と言っても、低所得層を薄くし、中流階層の厚みを増やすという掛け声以上の話ではない。経済成長率が落ちていく時期で、老人社会化が進んでいる状態下での政策だから、「平等」社会化の見せ掛けを作るだけでもえらく大変。どこまで上手くやれるか新政権のお手並み拝見といったところ。
ただ、習近平新総書記は改革と開放を続ける必要があるとの見解を示し、共産党は汚職など多くの問題に直面していると指摘したそうで、ゆっくり慎重に進めるということなのだろう。もちろん、改革といっても、経済の話なのだと思う。
結局のところ人事は以下のようになるらしい。
習近平 国家主席
李克強 首相
張徳江 全人代
兪正声 政治協商会議
劉雲山 宣伝工作担当
王岐山 党中央規律検査委員会書記
張高麗 筆頭副首相
順繰り玉転がしといった感じ。ほぼ、下馬評通り。ポスト作りで膨らんだ体制をもとの7名体制に戻し、首相がNo.2であるという当たり前の仕組みにしただけ。
素人の予測でも、上記と李源潮までから選定しかあり得ない訳で、李源潮外しは、5年間は穏当な姿勢を貫くとの意思表示だろう。サプライズ効果を狙うなら、女性起用の劉延東、若手起用の汪洋もあり得た訳だが、まあ、それはビジネスパーソンの期待であって、現実には無理筋。金融問題で主要解放軍区・地方政府が路線転換を頑なに阻んでいる状況だろうから、首脳部が分裂している可能性も高く、慎重にコトを進める以外に手は無いということ。
ただ、胡主席は、すべての権力を委譲した上で、7名体制にした訳だから、新主席が経済・金融改革でリーダーシップを発揮せよと指示したようなもの。大変な置き土産。
いずれGDP成長率の大幅低下に見舞われるから、そこで変革という目論見なのだろうか。換言すれば、それまでは、できる限り先送りということ。こういうものは、さっさと片付けないとどうにもならなくものだが、バブルを放置し続けた米国に倣うつもりのようだ。
世界経済にとっては、いつ弾けるかわからない、爆弾を抱えたようなもの。独裁国だから、パッチを当て隠蔽工作をするなどお手のモノだが、何時までも続けることはできない。今度は中国の番だゼということか。
秘密主義国家だが、日本の政治よりずっと分かり易い。
(当サイト過去記載)
ド素人が中国トップ人事を考えて見た(2012.8.14)
見える化進む中国政治(2012.9.21)
(ロイターの記事)
コラム:習近平指導部の評価は6.5点、変化の兆候でボーナス 2012年 11月 15日 19:06
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