■■■■■ 2013.7.13 ■■■■■

  The New Jim Crow の註

先日、ついつい"余計な一言"を書いてしまった。
  キリスト教社会である米国では、共和党の「麻薬戦争」戦略の批判書でもある、
  「The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness」
  がベストセラーになるような風土・・・   
→ 希望の星起用人事に拍手 [2013.7.7]
舌足らずで失礼。そのご説明を少々。

申し訳けないが、この本の中身はうろ覚え。
(余りよく読んでいないせいもある。)
だいたいこんなところだったように思う。
(間違いもあるかも知れぬが、ご勘弁のほど。)

ことの発端は、米国の刑務所話である。
 【事実の指摘】
  ・刑務所が満杯状態
  ・囚人は圧倒的に黒人
 【いかにも政治的な指摘】
  ・収容黒人数は奴隷より多い!
  ・一票を投じることさえできない!
小生なら、これを知ったところでフーンで終わる。

しかし、そこは米国のこと。
どうしてこうなるのか、追求する人もでてくる。
それが、この本の著者。
もちろん学者である。
 【「麻薬戦争」の現実】
  ・黒人狙い撃ち的な一網打尽型チェック
    -軽微な罪状でも逮捕
    -白人の軽微な違法行為の取り締まりは稀
 【その結果どうなるか】
  ・逮捕暦があると社会から爪弾きに
    -公共住宅からの追放
    -フードスタンプ対象外化
    -就職の道から除外
  ・ほぼ刑務所行き

従って、新型有色人種差別法施行と見るべしとの結論。
黒人大統領が登場したが、差別消滅どころではないという訳。
実態は知る由もないが、
小生には、民主党 v.s. 共和党の対決本に映った。
民主党型黒人優遇政策への反感を煽る戦略に一矢。

ここまでお話すれば、アナロジーの理屈もおわかりでしょう。
・・・日本の刑務所もおそらく満杯。安心社会追求の結果か。

政策は、見かけで判断するのはまずい。
必ず政治的な背景があるからだ。
隠された副作用やすぐに気付かぬ仕掛けがあったりするもの。
それには、思考停止状態の、「只々反対論」も含まれる。
政治家に有能なスタッフが必要な所以である。


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