■■■■■ 2013.12.29 ■■■■■

日本の子供の状況

子供の幸福度指標があるそうなので、眺めてみた。
まあ、情報鎖国と国粋主義的異民族弾圧をしており、低寿命の国民を抱える国が我々こそが「幸福度ナンバーワン」と呼び、それに呼応して、見習うべきと叫ぶ方々もいるから、どのような評価なのか気になる。
尚、報告書の英文タイトルは、Child Well-being in Rich Countries。

そうそう、それに、2013年に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立したこともある。(素人にはわかりにくい内容だが、政府は状況を調査し、方針を打ち出さねばならなくなった訳である。)

尚、31カ国調査だが、データが揃わないので、豪州・ニュージーランドが欠落しているのが残念なところ。一次産業だけで富める生活を実現すべく立ち回る国で、子供の状況はどうなのか気になるからだ。

この調査だが、5つの複合指標で順位をつけ、それから算数でだした総合順位。重み付けは無い。

驚いたのは、「健康と安全」で日本が16位なこと。先頭グループに属しているのかと思いきやちょうど中間の位置なのだ。英国(17位)やアイルランド(15位)並み。
「物資的豊かさ」とくれば、おそらく順位は相当下がると見たが、案の定の21位。

このような状況でも、総合で6位になっているのは、「教育」と「日常生活上のリスク」で1位だから。

従って、ホホーで済ます訳にはいくまい。どういうことか少し見ておく必要があろう。
恵まれた生活を約束できる先進国とは、普通は、この5指標がバランスよく上位にくるもの。
日本だけが特異なのである。先進国の生活スタイルは似てきているから、このような状態に陥っているということは、長期的には高い評価を持続できないことを示唆していると見てよかろう。もっとも、そういう常識的な見方をする人は少数派。日本の底力からすればそんなことはあり得ないということで手仕舞いとなると思われる。

絶対値を見ると、日本の経済状況は酷いものがある。相対的貧困率は14.9%で、しかも貧困レベルより3割も低いところに所得の平均値がある。基礎的生活費が嵩む国だから、教育費用を捻出できる状況になさそうな家庭の数が矢鱈多いということ。
実際、普通の家庭なら支出していそうなモノも与えられていない子供の割合は7.8%だ。日本の場合、これが厄介なのは、このような子供は周囲とお付き合いができないからイジメに合うことが多い点。

次に、健康で低い順位になっている理由を探してみたが、これはすぐにわかる。低出生体重児出生率で最下位なのだ。これは妊婦の教育レベルが著しく低いことを意味していよう。
そもそも、低出生体重児は成長の過程で問題を抱え易いという認識もないと思われる。なにせ、スリムボディの母親を囃す社会なのだから。
こまったものだが、それを指摘すると異端者扱いされかなないから皆黙っている訳である。

(記事) 子供の幸福度、日本6位 ユニセフが先進31カ国調査 2013/12/25 2:01 日経
(source) ユニセフ イノチェンティ研究所・阿部彩・竹沢純子『イノチェンティレポートカード11 先進国における子どもの幸福度:日本との比較 特別編集版』日本ユニセフ協会 2013年12月

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