表紙 目次 | ■■■■■ 2014.3.13 ■■■■■ 消息不明機報道を眺めて マレーシア機の消息不明状況が未だに続いている。天候不順で捜索困難という状況でもなさそうだが、捜索能力不足なのだろうか。 その一方で、「テロ」を示唆するようなトーンの報道だらけの様相を示しつつある。 その可能性は否定はできないが、その主張は論理的におかしくないか。 空中爆発していれば、すでに海上痕跡が発見されている筈だからだ。それに、ヒトの自爆程度で、連絡もできずにすぐに墜落することも考えにくかろう。そもそも、示威行為としての墜落が目的なら、成功したのだから、報道機関がなんらかの情報に接しているのが普通。 従って、素人から見れば、原因は単純と見る。 機体トラブルとして「超」緊急対応すべきところを、操縦者がそれを甘くみたため、海中に突っ込む形で墜落したと考えるのが素直。 報道解説を反面教師的に読むと、そんな判断ミスがどうしておこるか、想像がつく。 専門家のコメントとして、航空機事故はもっぱら離陸時で発生するもので、巡航時は安全と紹介されているものばかりだからだ。 もちろん、安全性の比較単位を「科学的」に揃えた、「確率」で見ればそうなるだろう。しかし、単純に重大事故の発生件数で見れば、巡航時は安全と言える人などいまい。 機体異常原因の重大事故率で比較したらどうなるのかを知りたいものである。離着陸時の事故のほとんどは、機体異常には無縁な印象が強いからでもある。これを除いて比較したらどうなの、ということ。 なにが言いたいかおわかりだろうか。 操縦者が、機体の変調に気付いても、咄嗟に対処方法がわからない場合、巡航時は極めて危険ではないかというだけの話。 当たり前だが、そんなことが気になるのは、「巡航時は安定しておりリスクはほとんど無い」と言いたげな解説しか見かけないからだ。 まあ、その主張、わからないでもない。 エンジンや翼のコントロールに多少支障が生じたところで、「なんとかなる」というのは確か。だが、そこには、「操縦者が適切な対処をしていれば」との大前提がある。これが、どうなっているのかナ、というのが、「マレーシア機の消息不明」が提起した問題なのでは。 変調に気付いた時、適切な判断ができなければ、突然の失速や操縦不能であっという間に墜落することは十分にありえる。そんなことは素人でもわかること。 例えば、エンジン一基でも問題無しとは、まことに正しい。しかし、ここで言っていることは、必要な推力が保てる能力があるというだけ。操縦者が推力を落としていることに気付くのが遅れれば、たちどころに墜落。その程度のコントロールが簡単に可能かは、支障原因による。操縦者が原因を読み違えれば墜落リスクは急激に高まることになる。 訓練された操縦者の判断能力は高い「筈」だが、それが通用しているとは限らない。それが、この事故の教訓ではないのか。 巡航高度では基本は自動操縦。多少の変調を見てとったところで、それが「まさか」墜落に結びつく訳があるまいと考えてしまいがち。それは危険ということ。 (C) 2014 RandDManagement.com HOME INDEX |