表紙 目次 | ■■■■■ 2014.3.14 ■■■■■ 常識的にはSTAP説は消滅 WSJだから仕方がないといえばその通りだが、もう一歩の踏み込みが欲しかった。・・・ "Five Allegations Against Riken Stem-Cell Researcher in Japan" By Alexander Martin 4:16 pm Mar 12, 2014 日本版邦訳:理研のSTAP細胞論文に対する5つの疑惑 間違ってはこまるが、さっぱりわからぬ記事だらけのなかでダントツの質。疑惑騒動のポイントを正確に指摘しているのは間違いない。 【ネイチャー論文】 (画像の不自然さ) ・別個の実験から作製されたはずの画像が同一に見える。 ・博士論文で使われていた画像と酷似した画像がある。 (資料のコピー疑惑) ・ドイツの研究者の2005年発表論文とほとんど同一文章がある。 (執筆後の説明との食い違い) ・新たに公開された手順と当初の論文の間に食い違いがあるとの指摘あり。 【2011年博士論文】 (資料のコピー疑惑) ・NIHの幹細胞に関するウェブサイトの同一文章が使われているとの指摘あり。 しかし、不満が残るのである。 と言うのは、このなかで、1つだけ性格の違うものが入っているからだ。ほとんどの記事はこれ以外を色々と解説している訳だが、なんの意味もないとは言わないまでも、それは研究内容と直接係わるものではない。 そう、この問題こそが核心を握っている。従って、ここに絞って解説して欲しかったところ。まあ、現段階で、直截的な発言を控えたい人は多いだろうから難しいことはわかるが。 ただ、この記事でも、読めばわかるようにはできている。・・・ 「新たな叙述では、幹細胞は、当初の論文のように白血球細胞由来ではなかったことが示されている」という研究者の言葉が引用されている。(おそらく、TCR再構成無しとの発表を指摘しているのだと思われる。) これが何を意味しているかは自明。・・・ 理研の実験は「次世代シークエンサー」を用いている。日進月歩のこの世界で、装置では、まさに先頭を走ってはいるが、そこでの競争は熾烈を極める。装置は素晴らしいから、おそらくそれなりのデータが出たのだろう。しかし、論文化を急ぐ余り、恣意的な解釈がなされてしまったと婉曲に指摘したということ。 素人的な極言なら、もしかしたら、それこそES細胞でも紛れ込んだのかもネとでもなろうか。 早い話、この現象自体は重大発見の可能性はあるが、理屈の方は一から考え直す要ありとの批判がなされた訳。これはかなり本質的なものであり、再現性云々の話とは違う。STAP論に不可欠な実験結果が欠けていることを意味しており、現時点では、飛躍し過ぎの仮説にすぎないと見るしかなかろう。 共著の研究者が論文撤回を迫っている状況から見て、この批判はポイントをついていると思われる。 (C) 2014 RandDManagement.com HOME INDEX |