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■■■■■ 2014.5.12 ■■■■■


3Dプリンター拳銃製造報道を見て

「3Dプリンターで拳銃製造か 所持容疑で逮捕」というニュースが流れたので驚いた。思わず、現代のラッダイド運動が始まったのかとも。
3Dプリンターのほとんどは、米国からの輸入機器。ご存知のように、職人仕事無しに、積層による精密な樹脂成形品がつくれるので大ヒット。

銃社会の米国で、設計図の形状データが公開されているそうだから、それとそっくりそのままのモデルガンはいとも簡単に作れる筈。
とはいえ、常識的には、見かけ上、極めて精巧な代物ができるというにすぎまい。
こと殺傷能力という観点では、樹脂製なのだから、玩具のレベルを出ないのでは。切削加工した金属銃身がなければ爆薬の力に耐えられまいということで。
しかも、そのモデルガンに合うような「実弾」が簡単に入手できるとも思えまい。「実射」シーンといっても、どうせそれらしく作ったものだろうと見た。

従って、そんな遊びを咎めるのは如何なものかという印象を受けたが、まあ、なにか事情があるのだろうと判断。さっぱりと忘れていた。

ところが、科学新刊本のサイトに「一体どのようにして銃を作ってしまったのか?」という記事ヘのリンク。
3Dプリンターなど目新しいものでもないのに。
ウーム、何なんだ。

そこで、その記事を眺めてみて、初めて実情がわかった。・・・

○日本で普通に入手可能な
  さまざまな工作機械を駆使し、
  かなり本気でいろいろと製造
○銃の製造だけではなく、
  弾丸の製造、
  さらには製造した銃を発砲
○しかもそれらを
  正々堂々とネット上でムービー公開
○データをダウンロード可能
  (銃のデータ規制に対抗宣言)

ホホー、そりゃ警察も動くだろう。有能な弁護士がつけば、裁判での有罪は難しそうな感じはするが。

もっとも、そんなことを知ったとて、フーンで終わり。
ところが、別次元の指摘があった。なんと、それはメイドオタクの世界なのだ。・・・オタクとは、自分の世界に閉じこもる体質の方々が多いのかと思ったら、その真逆。自ら自分のことを止めどもなく語りたがる姿勢には正直驚いた。

ざっと記事に目を通した結果、メイドに入れあげる典型的人物像がわかった気になってきた。当たっているとは限らないが。

<思想的な背景>
「とにかく銃を持つべきだという考えがかなり強固」らしい。そして、「やたらとメイドのことを熱く語っている」そうだ。
<公言する信念>
 ・銃の持つ悪人を殺せる力
 ・人生を幸せなものに変えることが出来るお金
 ・唯一の心を開ける存在、メイド
<自ら語る経歴>
○小学校から不良の多い学校出身
○(横浜市立中学校卒業)
○不良が集まるまさにDQNのたまり場とも言える(県立)職業訓練校で2年間訓練
   [註:DQNとは「ドキュン」という侮蔑語.非常識で知識や知能が乏しい粗暴な輩.]
○(東京都内)町工場に7年半
 ・さまざまな技術や知識を習得
 ・1ミリの1000分の2の精度を出す機械加工の職人
 ・防衛関係の兵器の製造に関わってきた
○(現職:工科大学契約職員)
 ・授業の補助員
 ・金属加工など実習手伝
<自ら認める性格>
○友達が少ない
○反社会的
○新しい事を考え、自分から実行するのが好き
○常に高い理想を掲げていました
○同級生を時にクズ呼ばわり
○男嫌いがどんどん年齢と共に激しくなっていきました

普段は、新聞に掲載される心理学者のコメントは信用しないが、今回だけは本質をついていそう。・・・
○技術(正確には職人的な技能)自慢命。
  褒めてもらいたい一心。
  反応がなければ、もっと凄いことへ進む。
○ゲームやアニメがモラルや物事の善悪の判断材料となっている。

(記事)
日本発の3Dプリンター銃「Defender Mk.II」など所持容疑で逮捕、一体どのようにして銃を作ってしまったのか? 2014年05月08日 Gigazine
「世界で信じるものは3つ。銃、お金、メイド」 独自の世界観に陶酔する容疑者 2014.5.10 産経新聞

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