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■■■■■ 2014.7.23 ■■■■■


血液型と性格の科学で感じたこと

流石に驚いた。・・・
「日米の1万人以上を対象にした意識調査のデータを分析」し、「血液型と性格の関連性に科学的根拠はないとする統計学的な解析結果」が発表されたとのニュース。

そこまでする必要があるのかネと感じたから。

「ブラッドタイプ(血液型)・ハラスメント」が存在するので、これを叩くには不可欠ということのようだ。
冗談半分で面白いじゃないかでは済ませられない問題にまで来ているらしい。なにせ、特定の血液型の人格が否定的にとらえられ、就職できないこともあるようだ。
まあ、そういう会社に就職しなくてよかったと考えるべきと思うが。
でも、流石に唖然とさせられた。
そこまで、迷信にどっぷり浸かっている人だらけの社会とは思っていなかったからでもある。もっとも、言われてみれば、確かにそうかも知れぬとの気もしてくる。

ともあれ、個人的には、何型が差別されるのか、興味津々。
小生も、その血液型だったりして。
そんなことを言うと、問題視している真面目な方々の逆鱗に触れるか。

尚、小生は、日本人に関しては、血液型でなんらかの違いがでてもおかしくないと見ているクチ。
間違ってもらってはこまるが、血液型そのものがヒトの性格を変える因子になる訳がない。そんな仮説など立てようがなかろう。しかし、差違が生じるとの仮説は考えられるから、一概に否定はできないと見ているのだ。

と言うのは、日本人は雑種だからだ。
しかも、それぞれの祖は、生活スタイルが全く違う。その差が今もって残っている可能性はゼロとは思えない。
周辺民族での調査結果から見て、血液型分布は民族毎に相当に違うから、母集団を上手に設定すれば、その反映結果が得られるかも知れないと思う訳である。
薩摩や会津出身の方々が、自分達の気風は独特と誇ることがあるように、それを古代に延長しただけ。

ついでに、もう少し敷衍しておこうか。
そもそも、血液型が何種類かある理由とは、進化の結果だろう。そうだとすれば、それなりの淘汰はあってしかるべき。それぞれの血液型毎に抗体のタイプも異なっていておかしくない。換言すれば、血液型によって、特定の疾病への抵抗性にかなりの違いがあるかも知れぬということ。長期間で考えれば、疾病対応姿勢が違ってくることになるから、そこを性格として読み取れば、違いは見つかる可能性はあるかも。この場合もどのような母集団を設定するかが鍵。
こんな下らぬ話をするのは、こうしたモノの見方は、結構重要と思っているから。
この理屈、おわかりだろうか。

例えば、こういうこと。

「赤ワインを飲む人は長生きしている。」という調査結果が出たとする。
当たり前だが、このデータが正しいからといって、赤ワインに効果があるとは限らない。ある地域で、赤ワインを飲むような生活スタイルの人達が長生きしているだけかも知れぬからだ。

しかし、赤ワインに含まれている成分が、長生きに寄与する可能性があるとなれば、それは確かかも知れぬとはなろう。
但し、そういう理屈も「あり得る」ということでしかない。ここが重要なところ。
生理活性があるとしたら、それはプラスに働く可能性もあるが、なんらかの形でマイナスに働くこともあると見る。ただ、どんな条件の時にそうなるのかなど、すぐにわかる筈がない。データが山のようにあろうが、肝心なことはたいていは全くわかっていないもの。現代の科学とはその程度でしかなかろう。
要するに、「科学的見方」とは、あくまでも仮説ありき。その確からしさを示す実証データがどんなものかを眺め、どこまで信用すべきか、自分の頭で判断する以外に手はない。

と言うことで、小生の場合、赤ワインは好きだが、健康に効果ある成分が入っていると思って飲むことはない。多飲する場合の、ヨタ話としてはえらく重宝という程度。
それに、医薬品化されていない成分は、多目にとればよからぬ効果が生まれないとも限らないと考えている。当然ながら、そんなものを有り難がることは無い。と言うより、そんなことを気にするより、お酒を飲んで愉しく過ごすことが、健康に一番寄与すると考えている訳である。
もっとも、それこそが実は迷信だったりして。

元に戻って、〆とするか。・・・血液型と性格の相関関係の話には、はなからなんの理屈も存在していない。仮説そのものが欠けているのである。従って、そんなものにいちいち対処するのは時間の無駄では。

そうそう、差別問題ということなら、肥満や身長、容姿に関する方も取り上げて欲しいもの。

(読売新聞の記事) 血液型と性格「関連なし」…日米1万人超を調査 2014年07月19日 20時59分
(論文) 縄田健悟[京都文教大学] 「血液型と性格の無関連性 ―日本と米国の大規模社会調査を用いた実証的論拠―」 心理学研究2014年 2013.5.14受稿


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