表紙 目次 | ■■■■■ 2014.8.25 ■■■■■ 食の好みは大変動中か 英国人の奥ゆかしき食のマナーを初めて知った。 ・・・好きでもない料理がでても、我慢して美味しそうに食べるらしい。もちろんホストを気遣ってのこと。 これだけなら、日本人でも多かれ少なかれある話。 しかし、その「好きではない」食品に、驚くことに、ブルーチーズやシェーブルが入っているのだ。 日本人なら嫌いな人だらけで、ご遠慮させて頂いたところでどうということはなかろう。しかし、英国人だと、それにはかなりの心理的抵抗感があるのではないか。日本人が鮪の刺身を嫌いと表立って言いにくいのと同じようなものでは。 日本人の場合は、この手の醗酵乳製品を味わうようになった歴史は極めて浅いから、慣れが必要な、癖のあるものを好きになるにはバリアが高い。 ブルーチーズもファッティで穏やかなものなら好まれるだろうが、刺激を感じる手のモノは嫌われて当然だろう。それに、青黴は心理的に避けたくなるだろうし。 一方、山羊の場合は、好きな人は多分限定的。耐え難き特殊臭を感じた瞬間、嫌いになる筈だ。 好きになると、そんな刺激や臭みが嬉しさでもあるのだが。 もっとも、ブルーチーズを料理に使うとコッテリ感が生まれ、どうしても重くなる。その辺りが嫌われるところかも。 とはいえ、牧畜の民がチーズを好きではないとは信じがたいものがある。 なにせ、イングランドには、ロックフォールとゴルゴンゾーラと並ぶ有名な青黴チース「Stilton」があるからだ。ジョージ・オーウェルなど、「世界最高のチーズ」と絶賛したのである。 一方、シェーブルはフランス語だが、英語はGoats Cheese。こちらも、コーンウォールにはGevrikがあるし、ウェールズにもPantysgawnがある。 階級社会が温存されたままの、多民族国家としてのU.K.でのアンケート結果という気がしないでもないが、その辺りはどうなのだろう。どのような母集団かが気になるところではある。 ことはチースだけではない。 鶏レバーや"Black pudding"(血入りソーセージ)は、好みが分かれそうだから、3分の1程度が嫌いなのは驚くことはないが、アンチョビとオリーブが好まれていないのだ。西欧人でありながらの、まさかの結果。 なんと44%と39%に達しているのだ。 サラミやマッシュルームも20%と15%とかなりの嫌われよう。 そうそう、芽キャベツ(Brussel Sprouts)も、嫌いな10品目に入っているのも面白い。 英国では極めてポピュラーな野菜の筈だ。 従って、冷凍野菜の定番だろう。料理のつけあわせに頻繁に使うことになる訳で、好き嫌いの対象として考えることなどあるまいと見たが、見事外れ。 今や、国や民族の違いより、個人の生活の方が食の好みを大きく左右するということか。 食材や料理のグローバル化のお蔭で、各国料理が入り乱れてしまい、食の好みも一様ではなくなってきたということなのだろう。 ちなみに、拙宅では、豚血入りの"Black pudding"は心理的にご遠慮申し上げるが、他はすべて大好き。 (記事) Anchovies top the foods we love to hate by Henry Steinberg 20 August 2014 The Independent Anchovies, chicken liver and olives: The list of grub that so-called 'foodie' Brits love to hate...and how women are the fussiest eaters By Martha Cliff for MailOnline 16:35 GMT, 20 August 2014 dailymail (C) 2014 RandDManagement.com HOME INDEX |