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■■■■■ 2014.8.30 ■■■■■


食品テロ対策を進めて欲しいもの

英国ニューカッスルのネスレの菓子工場で、大人も子供にも処方される汎用的な医療用医薬品タブレットの混入が見つかったそうである。21日のこと。
当該物を取り除き、全品検査の結果、安全なことが確認されたそうだ。

工場全景写真からみるに、一大製造拠点であり、数百人の従業員を抱えていそう。よく見かけるジェリーの"Rowntree's Fruit Pastilles"を作っている工場では。

ビックリした。
混入そのものに驚いた訳ではない。

大企業が、僅か1週間で発表に漕ぎつけたからである。
しかも、警察が事件の探索を行っているとスポークスマンが発言したという。

言うまでもないが、こうした手口は無差別テロそのもの。従って、当たり前の措置がとられただけ。従って、本来は、驚くことでもなんでもない。でも、現実には、つい「凄い」と感嘆してしまう自分がいる訳である。
日本の状況と比較してしまうから、どうしてもそうなるのだ。
小生は、こうした問題への対処では、日本は民主的国家が実現すべきレベルに達していないと思うが、そうは考えない人が多いようだ。

当たり前だが、独裁国では、テロは無かったとの完全隠蔽工作が図られるのが普通。その事実を隠せなくなれば次はフレームアップ画策となりがち。
民主国家を続けたければ、こうした対応に進まないように仕組みを作っておく必要がある。
ところが、日本はそれを嫌うことが多い。結果的に大きな問題がなければ、波風をたてぬようにというのが基本姿勢なのだろう。民主国家の原則とは全く異質。しかも、それを素晴らしい風土と誇ることも少なくない。

その姿勢をこのまま続けるかが問われているのだが、そう感じる人も稀。えらく鈍感。

実際、冷凍食品に農薬が混入された問題では、「工場内で混入を防ぐ体制も、問題の把握も、中国製冷凍ギョーザ事件の教訓が生かされていると言えない状況」だったと言われている。
全国で2,000人以上が健康被害を訴えた事件だが、「会社は毒性を過小評価し、食べても問題はないと受け取れる」発表で対応したそうだ。結局、農薬混入が判明したのだが、その発表は、クレーム発生から1ヶ月半後だという。
NHKの解説委員は、米国の体制と比較し、「危機感をもった対応を求めたいと思います。」と発言している。
はたして、この声、浸透しただろうか。

(News) "Newcastle Nestle factory finds drug tablet in sweets" 27 August 2014 Last updated at 21:02 BBC
(ニュース解説) 時論公論 合瀬宏毅 解説委員 「どう防ぐ 食品の毒物混入」 2014年01月28日 NHK

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