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■■■■■ 2014.10.4 ■■■■■


気にしないの助のカササギが気になる

気にしないの助音頭に合いの手役として登場する二羽の鳥はてっきりカラスとおもいきや、カササギだと。
わざわざご注意が流されたのにはビックリ。

都会に住むハシブトガラス[嘴太烏]なら、役どころとしては満点で、それでは全く面白味がないということかナ。・・・
どこでも見かけるハシブト君は世界的に森林棲タイプと見なされている。ところが、日本だけは、コンクリートジャングルたる都会が大いに気に入り、住み着いており、都会棲タイプと言ってよいほど。多分、海外ではそんな話は全く通用しまい。なにも気にしない文化が日本のハシブト族には定着している模様。

小生は、クラシック音楽番組終了直後にEテレ0655を見る習慣なので、気にしないの助音頭を耳にすると、音楽的違和感を覚える。その状態での余計なコメントなので、どうしても感応してしまう。気にしないママではいられぬのだ。
   「Eテレ0655人気について」[ 2014.8.10]

言われて、よくよく黒い鳥を見れば、全身真っ黒ではなく、白い部分が描かれていることがわかる。カササギは胸・肩・腰辺りが白いから、成程とはなるが。

そうなると、光るものに目がない、泥棒かささぎを示唆したいのかナなどと、ついつい考えてしまう。
もちろんロッシーニのオペラの話。それでおわかりになるように、欧州全域でよく見かける鳥。日本人に馴染みといえば、オペラよりは、クロード・モネ"La Pie"[1869]かも。

しかしながら、"音頭"という純日本的音楽に西洋のカササギを囃し手としてもってくるのも腑に落ちぬところ。
さすれば、日本のカササギと見なしたくなるが、それも又合点がいかぬ。
名前こそ知られているものの、渡来鳥だからだ。大陸からの貢物としてやってきた特別高貴な鳥。
ちょっと本を見てみるとこんな感じだ。

 新羅王の献物、
  馬二匹
  犬三頭
  鸚鵡二隻
  鵲二隻
 及 種々の物あり。

 [日本書紀巻29 天武天皇]

 六年の夏四月に、・・・
 新羅より至りて、
 鵲二隻を献る。
 乃ち 難波の杜に養はしむ
 因りて枝に巣ひて産めり。

 [日本書紀巻22 推古天皇]

何時頃からかはわからぬが、中国では非常受歓迎的一神鳥類となり、七夕で出会いを取り持つ役割を果たすらしい。韓国では今や国鳥。
もっとも、そんな昔の話をしたところで意味あるまいと考えるのが常識人か。

ところが、さらに疑問がフツフツと湧いてくるのだ。
未だに、カササギは全国区の鳥とは言い難いからだ。薄い図鑑では割愛されてしまう手の鳥である。棲んでいる地域はもっぱら佐賀平野に限られるから当然の編集姿勢。といって、佐賀名物を見物に行こうという話は耳にしたことが無い。

何故、そうまで佐賀に拘るのと尋ねたくなるが、その答えは未だに頂戴できてはいないようだ。
不可思議である。
この鳥、欧州全域だけでなく、南と寒冷地を除くユーラシア全域で見られる鳥だからだ。

うーむ。
重箱の隅気にしないの助君でなく、重箱の隅つつくの助君を通り越して、重箱の隅ほじくるの助君の体質に染まってしまったか。

(日本書紀) 新編日本古典文学全集 小学館

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