表紙 目次 | ■■■■■ 2014.10.5 ■■■■■ 御嶽山大災害写真で想ったこと 御嶽山噴火についての記事というか、写真を見ていて感じたことを、書き留めておきたくなった。まとまりがない文章だが、そこはご勘弁のほど。 → "36 now feared dead in Japanese volcano disaster" @MailOnline 秋晴れの紅葉の土曜日となれば、ハイカー的にこの山を訪れる人の数は3,000人にのぼるではなかろうか。確か、国立公園内ではないから、アクセスし易く、まぎれもなき一大観光地である。登山届で山登りの雰囲気の地ではないのでは。 よりもよって、そのピークシーズンの込み合いそうな時間帯に噴火。 頂上付近には300人近くの登山者がいたのではなかろうか。火山弾に直撃されれば致命的。その確率を3割と見ると、行方不明者はかなりの数にのぼりそう。 これだけの大災害だから、噴火へのリスク対応がとられていたかという視点の記事も多い。しかし、それらを読む限り、監視体制不備どころか、十分すぎるほど。 その結果、半月ほど前からは火山性地震の増加をとらえていたそうだ。そういえば、そんな記事を読んだ覚えがある。 噴火の12分前にも火山性微動を観測したらしいが、告知は無理だろう。 もともと、火山弾や毒ガスに襲われる可能性がありそうな火山は、日本中には32もある。御嶽山はその1つ。不運と諦めるしかあるまい。 小生は、いくら観測機器を揃えても、所詮、それは「科学用」でしかないと見る。噴火予測には役立たないということ。・・・ただ、この表現が難しい。 と言うのは、「住民の実感的」には予測できる火山もあるからだ。 よく知られているのは、有珠山。「予知」で住民が一斉避難できたことがある。 そのため、小生も、予測可能と解釈してしまった。しかし、そこには「科学的」推論は含まれていなかったのである。つまり、「科学的」「予知」とは言い難いのである。 もともと、有珠山では、有感地震の後に噴火に見舞われると、「住民の実感的」にはわかっていたと言われている。この法則に単純対応するつもりなら、優秀なエンジニアを登用すれば、即刻素晴らしい予測の仕組みが作れる筈だ。(もちろん、法律的にはできないが。) おわかりだろうか、この理屈。 どうして有珠山だと予知が可能なのか説明できないなら、それは「科学的」推論ではなく、科学的装置で「住民の実感的」推論を行っているだけの話。 ここは極めて重要な点。 薬で考えるとわかり易いか。 薬の開発は典型だが、結果が良好でも理屈を構築できなければ、「科学的」とは言い難いから、「薬」として認めないというのが、大原則。もちろん例外扱いはあるが、それは政治的なもの。 実際、火山性微動地震情報をもらった住民が、噴火予知と感じたのか、尋ねてみるとよいだろう。 「住民の実感的」には、なんらの異常も認められなかったというのがほとんどでは。桜島のように、膨大な観測網が敷かれていても、予知可能とみなす住民は少ないのでは。おそらく、前触れなく噴火する山という以上でも以下でもなかろう。 問題をおわかりだろうか。・・・「住民の実感的」推論の方が実践的ではないかということ。 しかし、現在、それは許されざること。不安をまき散らすだけの、反社会的な行動と言えなくもないからだ。 例えば、環太平洋の火山活動は活発期に入ったのではないかという見方がある。「科学的」と言えるものかは、なんとも。大海原を俯瞰的に見る「住民の実感的」発想でも同じ見方になるからだ。但し、プレート論という理屈があるから、それなりの見方ができる訳だが。 もう一つ「住民の実感的」な推論例をあげておこう。 大地震の数年後に、その余波で噴火が発生するというもの。火山国だから、どこまで成り立つのかわからぬが。 これでは、なにが言いたいか、さっぱりわからぬか。 要は、現段階、「科学的」には、噴火予知はできないということ。 従って、「住民の実感的」予測に基づいたリスク感覚で対応する以外に手はなかろう。 重要なのは、予知ではなく、噴火したことをいち早く周知する体制。 そして、被害者を救出する仕組みだろう。 後者については、報道を眺める限り、素晴らしいの一語につきよう。消防、自衛隊、警察は組織的に、個人的にも、実によく訓練されており、質が高いことも見せてくれたからだ。 ただ、100人規模の死傷者が発生している高山危険地帯への救援活動だから、気になることも多い。行方不明者の数も多数にのぼるから、救助開始から捜索終了まで長期に渡る活動になってしまうことを考えると、現状では無理が重なるのではと、心配になる。 高山の稜線域は、突然の気象変化がありうる地。強風が吹けば一歩も歩けなくなるどころか、体が吹き飛ばされてもおかしくない。雨も下から殴るように当たってくるから、それこそ、降ればズブ濡れ。 しかも、無臭で気付かない毒ガスが流れてくる可能性も。もちろん、突然の再噴火も有りえよう。 ところが、どう見ても、それを前提とした「科学的」な装備で活動しているようには見えない。それを覚悟の上ということになろう。 その気持ちはよくわかる。重厚な装備では、体力を消耗する活動ができる訳がないからだ。都会の救助活動とは訳が違うし。 素人的には、大型シェルターとか、休憩施設が必要な印象を持ったのだが。 (C) 2014 RandDManagement.com HOME INDEX |