表紙 目次 | ■■■■■ 2014.12.9 ■■■■■ ホーキング教授の警告 ホーキング教授がついに、文字通り、古典的な人工声で一言。・・・ "The development of full artificial intelligence could spell the end of the human race." → "Stephen Hawking warns artificial intelligence could end mankind" By Rory Cellan-Jones (interviewer/Technology correspondent) BBC 2 December 2014 Last updated at 13:02 まあ、長期的には、「必然」の話でしかないと思うが。 2025年頃には、人間の脳と同等なレベルに達するとの予想は、相当前から単純外挿で明らかになっていた。 → 「Kurzweilの予想」[2001.11.6] そして、その流れは着々と進んでいるのが現実。 → 「コンピュータは予想通りのスピードで人間の脳に近づいてきた」[2011.2.22] ただ、それが本当に「our biggest existential threat」を意味するかは、なんとも。我々が「知性」と呼ぶ能力で、機械がヒトを越えるのだから、その状態を今の我々が想像できるとは思えないからである。 しかし、論理的に考えるなら、この警告は当たっている可能性が高いことは間違いない。 これからの機械は、自らより効率的に稼働できるよう、自らの構造を設計し、それに合わせ、自らを作り変える方向に進むことになるからだ。そのプロセスにヒトは不要なだけでなく、邪魔者と見なされる筈だ。従って、ヒトに、「承認者」の権限を与えることは間違ったプログラムであるとの判断が下されておかしくない。 まさに、HALの世界だが、それは遠い先の話ではなかろう。 その幕開けは、数十年内に必ず来る。 一旦、始まってしまえば、人間の進化スピードと、機械の進歩スピードの差は比較するまでもないから、早々に決着を見ることになろう。 より短期的には、労働者不要の世界が来るのも、ホーキング教授の指摘なくしても、常識の範疇だろう。 豊富な経験が必要とされる仕事の大部分は、数多くのパターンからなる単純作業の細かな積み重ねにすぎないのは誰でもが知っている。ヒトだと、そのような仕事を覚えるのに、長時間の学習が必要となるため、高度スキル労働者とみなされているに過ぎまい。機械に同じことができないとは思えない。さすれば、ミスの無い機械の独壇場となるのは当然の流れ。 そんな世界を避けたいなら、超大規模かつ過激なラッダイド運動で機械の存在を否定するか、反近代の宗教独裁国家化しかなかろう。 はてさてどうなるか。 ともあれ、SFの世界の現実化が間近に迫って来たのである。 どんな流れになるか、そろそろ想定すべき頃ということか。 一番ありそうなのは、以下の3つかも知れぬ。 1つ目は、その流れこそが神の考える方向ということで、機械が君臨する世界へと進む。ヒトは進化に取り残された生物と見なされることになろう。 2つ目は、ヒト支配に好都合ということで、機械を介した、一握りの独裁者君臨体制が構築される。残ったヒトは機械の奴隷となる。 3つ目は、なるようにしかなるぬということで、機械とヒトが対立しながら併存。と言うか、隠遁者が生き延びることになろう。 どう転ぼうと、生き残れるヒトとは、皆で群れてモノ真似して喜ぶことを毛嫌いする、創造性豊かな人物だけではなかろうか。 (記事) Stephen Hawking: 'Transcendence looks at the implications of artificial intelligence - but are we taking AI seriously enough?' by Stephen Hawking, Stuart Russell, Max Tegmark, Frank Wilczek Thursday 01 May 2014 the Independent (C) 2014 RandDManagement.com HOME INDEX |