表紙 目次 | ■■■■■ 2015.1.11 ■■■■■ STAP細胞話はまだ続くのか 未だにSTAP細胞の研究問題が取り上げられるところをみると、世間的に関心が高いのだろう。 ほとんどの人にとって興味を覚えるような研究内容とは思えないが、すぐに飽きる体質の風土と言われている割には、よく続くものである。 なにせ、学術研究ネタを滅多に記事にするとは思えない媒体でも、未だに話題となるのだから。 週刊誌の最近の記事タイトルを見ると、こんな具合。・・・ 「いい大人がやや美人に惑わされたとすら言える」 話題化するために、「美人」研究者の存在を組織的に喧伝したことを指摘しているのだろう。そして、それが、未だに尾を引いているわけだ。 スポーツ紙には、こんな見出しも。・・・ 「小保方氏不正確定で弁償求む」 多分、有名なコメンテーターの発言なのだろう。どうせ、税金を使ってこのままでは許せぬという話ではないか。記事を読んだ訳ではないから、間違いだったらご容赦のほど。 まあ、これに限らず、今迄の報道のニュアンスからすると、大勢の立派な研究者が揃いも揃って論文の共同執筆者になったのは許せぬというニュアンスのものが多かった感じがする。 このことは、クオリティペーパーの質と上記のメディアの質はほとんどかわらないということ。 こまったものである。 どういう訳か、さっぱり報道されない領域があるからだ。 一つ目。 確か、問題が勃発する前から、STAPはガセとの「科学的な論理での」主張がなされていた筈。ペンネームブログだが、それが誰かは知られていた。しかし、組織上層部はその指摘に耳をかそうともしなかった。 そこらも、どうなっているのか、さっぱりわからぬ。リーク話が掲載される新聞にも偏りがあり、マスコミ側の事情もありそう。日本の大新聞は恣意的報道を旨としているらしいから致し方ないが。 二つ目。 当該細胞を創出した人物はいかにも一人しかいないような報道ぶり。その直接指導者のお二人のうち、一人はお亡くなりになったが、もう一人の方は現役。その現役の方は、確か、自らも一度だけ作成したことがあると発言したと思うが。 (素人が耳にしても、コペルニクス的転回の「研究成果」だが、それを「権威ある」学者が実験で確認したと語れば、普通は信用するもの。) こちらの結末は、一体どうなったのか聞きたいもの。 三つ目。 まともな実験ノートさえ持たない研究者がいることに愕然としたが、周囲の研究者がそれに気付かないとは思えないが、その辺りはどうなっているのか。 ベールに隠された研究者だったと解釈せざるを得ないが。さもなくば、常識的には、トンデモ研究者であること位わかりそうなもの。 さらに、指導者は、そのような研究者であるとは露知らずなのだろうか。 そこらも、はっきりさせて欲しいもの。 四つ目。 STAPが騒がれ始めた頃、明らかに異なる2つの細胞の話がゴチャ混ぜになっていた。 素人でも、そのうちの万能細胞の方は、ES細胞の混入と違うかという印象を持った人は多かった筈である。 しかし、実験上そのようなことは無いとされたと思う。それは確認できたのだろうか。 まあ、色々知りたくなることはあるが、どうでもよい話である。真相は藪の中に近い。 それに、企業内とは違い、登用できそうな人材は限られている。従って、人事一新で立て直しを図れるとも言い難い。 重要なのは、この先、成果をあげることができそうな組織をつくること。 最低限守るべき倫理と行動指針が、組織すべてで、全く無視されていたとすれば言語道断だが、そんなことは常識的には考えにくかろう。 常識が通用しない組織だとすれば、これは解体する以外につける薬はないが、そうでないなら、些末なことにいつまでも係るべきではなかろう。 もともと、研究など、成果ゼロのこともある。それを前提として、賭けるからこそ、画期的な発見もある訳で、税金が無駄になったということで、管理に時間を割くのは考えモノ。 それでなくても、日本の組織は事務管理者だらけで、それが研究効率をえらく落としているのだから。 それを打破するべく編成された組織が元の木阿弥では余りに情けない。 チエを生み出すための投資では、起用するヒトとそのタイミングで大きな差がでるのはわかりきったコト。角を矯めて牛を殺すことなきよう願いたいもの。 (C) 2015 RandDManagement.com HOME INDEX |