表紙 目次 | ■■■■■ 2015.3.10 ■■■■■ 自衛隊に関する世論調査報道を眺めて 「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」で、 自衛隊を「増強したほうがよい」が増えて3割に。もっとも、「今の程度でよい」は6割と大多数。この結果のコメントは様々。なかには、インターネット版では無視の姿勢を見せた新聞もある。 まあ、現状認識がいい加減なままで、増強とか、慎重でもなかろうと思うが。 そう思うのは、日本の軍備に関する報道内容が余りにお粗末だからだ。 特に、軍隊は許せぬ派はどうにもならぬ。ただただ危険を叫ぶだけなのだから。・・・福島原発崩壊に全く懲りていないことがよくわかる。なんだろうがすべて危険という主張が何を招くかわかりそうなものだが。 例えば、本気で脅威に対抗する気なら、自衛隊の現状を考えれば、新基地構築と大増員が不可欠。装備は今の基地に並べておけば使えるようなものではないからだ。 しかし、それには膨大な人件費が必要となる。 実質的に日銀国債買い入れでファイナンスしている状況でおいそれとそんなことができる訳がない。財政破綻の先延ばしが破綻しかねないからだ。適当にお茶を濁す軍備増強しか無理なのである。それが国力相応というもの。 ともかく、情緒的な報道ではなく、東アジアの軍備の実態をまともに論評する報道が欲しいところだ。 そのような姿勢こそ、民主主義-自由経済体制維持に不可欠とは言えまいか。 ところが、現在のマスコミのポジショントークは、それとは全く異なる。反対意見の無視(全く反論しない態度も同じこと)や恣意的な解説の乱発。とても、言論の自由を守る側に立っているとは思えない。世論操作することが嬉しくてたまらない人達に映る。 例えば、人民解放軍の海軍増強を大騒ぎする人達が存在する一方で、それをできる限り伝えようとしない人達もいる。 常識的に見て、膨大な数の潜水艦を揃えたからといって、最新型の前では単なる標的にすぎまい。先進国にとっては脅威とは言い難かろう。しかし、数が数だけに、それなりの対処は必要となる。だが、そんなことより、どうしてそのような馬鹿げた戦争論を続けているかを理解することが重要だろう。そして、そうした軍備拡大を国内政治にどのように利用しているのかも知っておくべきでは。このような情報を提供することこそがマスコミ本来の使命では。 と言っても、現実的脅威が無い訳ではない。空は別である。こちらでも、航空機の数を無闇に増やしていそう。軍人喪失をなんとも思わない組織だから、数の力で制空権奪取は可能である。 この辺りの状況を全く知らせないで、議論でもなかろう。 そうそう、米国は世界の警察官役を降りたのである。これは、パワーバランスが崩れ始めたということ。 "日本が戦争に巻き込まれる危険性"があると答えた割合が72.3%だったそうだが、当たり前というより、この程度の数字でしかない、無頓着な社会であると見るべきだろう。こんな認識であると、突然、テロでもしかけられれば、戦争に引きづり込まれかねまい。 第二次世界大戦は、陸軍に負け戦に引きづり込まれたとされているが、当時の民の見識の低さが元凶とも言えよう。それは日本の国力をまともに伝えようという努力が全くなされなかったせいでもあろう。その伝統は今も続いているのでは。 普通に考えれば、米国政府は、自由主義を是とする各国に対して、分担して軍事面での役割を担えと要求し始めていることになる。 ・・・これにどう対応するつもりかが問われているのだから、東アジアの軍事的状況と、自衛隊の現況についての解説があふれていてもおかしくない。ところが、見かけるのは断片的な話と、恣意的なコメントばかり。こまったもの。 未だに、アメリカ支配許さず、戦争反対と叫んでいればなんとかなると考えている人が多いということだろう。 (記事) 自衛隊 「増強したほうがよい」が30% ?2015年3月7日? NHK 自衛隊「増強した方がよい」最高の29% 内閣府調べ 2015/3/7 18:26 日経 「自衛隊」世論調査…75%が戦争の危険性感じる 中国への警戒、北朝鮮を逆転 2015.3.8 12:54更新 産経 「自衛隊に良い印象」92%、過去最高を更新 2015年03月08日 08時59分 読売 国際協力「現状維持」65%=自衛隊活動拡大に慎重−内閣府調査 2015 年3月7日 18:00JST 更新 WSJ日本版 内閣府世論調査:安全保障の関心、中国の軍事力・海洋活動がトップ ブルームバーグ-2015/03/07 (C) 2015 RandDManagement.com HOME INDEX |