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■■■■■ 2015.3.14 ■■■■■


生物5界論を嫌う理由

一知半解のまま、ド素人が、こともあろうに生物分類の話をしてきた理由は単純。

あくまでも分析的思想優先で、新概念導入阻止を図っているように映ったからだ。そんなセンスを身につけさせる動きは阻止せねば。

どこまで本当なのか調べていないが、生物5界という概念は未だに学校で暗記させられるようである。どの分野でもジャーゴンはあり、パソコンでいえば「マウス」のようなもので、丸暗記するしかないことは少なくないが、それとは全く違う。ものの考え方がいかにも反「現代の進化論」だから、これは拙いということ。

何故、そこまで気になるかがわからない方もおられるようなので、ご説明しておこう。

小生は、今、時代の分岐点に差し掛かっていると考えている。言うまでもないが、コンピュータの能力が今の調子で進めば量的にはヒトの脳と同等に達するからだ。それは遠い将来の話ではない。そんな話を何回か書いてきたが、ついに来るべき時が来た。
おそらく、この先10年内に、先進国のプロフェッショナルは選別され始める。弁護士など典型だが、今迄時間を費やしていた作業のほとんどをコンピュータに任せることになるからだ。つまり、ほとんどの弁護士は入力作業の単純労働者に落ち込む訳で、ほんの一握りの優秀な層だけが専門職として活躍することになる。(日本は既得権益保障の国だから、大きく遅れるが。)
言うまでもないが、他の職種でも同じようなことがいえる。

営業職にしても、感情の機微で大活躍できる時代は遠からず終わる。データさえあるなら、どのように対応すべきかはコンピュータの判断の方が成果を生むからだ。それに勝つには、ルール破りしかない。それが目立つようになるから、さらにヒトは遠ざけられる。(と言っても、日本はルール遵守より、人間関係重視の国だからその波はなかなか訪れないと思われる。)

コンピュータは至るところに組み込まれるから、多くの労働は機械化されること間違いなし。とてつもない安価な条件の労働は残るだろうが、それ以外の職場は失われていく。終身雇用的な職業は、ツーカーの仲で動くと知恵が生まれやすい分野でのエンジニアや研究者位のものだろう。

要するに、機械に代替されない分野とは、知恵を生み出す仕事だけ。・・・ビジネスは冷徹であり、機械の方が安価で正確で効率もよいなら、ヒトに任せる訳がなかろう。いよいよ、この流れがすべての分野で始まる。

現代の仕事でいえば、知恵で価値を生み出している代表的職種は、研究者やエンジニア。しかし、その仕事内容を見れば、機械が行えそうなものは極めて多い。それはなにかと言えば、分析的な作業。多くの場合、一番時間がかかるのが、データ採取とその解析。従って、この部分が定型的ならコンピュータに代わっていくこと間違いなし。従って、将来を見据えれば、斬新な実験計画や、結果の「新しい」見方を打ち出すことに注力していく必要がある訳だ。
ところが現実はそうなっていない。新しいことに挑戦するよりは、従来型業務遂行に優れている人が賞賛されるのが普通。いち早く、正確に、無駄なく仕上げる人が優秀とされている。時代の過渡期だから、それは致し方ないが、それを変えなければ。
早晩、それが通用する時代は終わりを告げるからだ。

心配なのは、エリート大学ほど、この変化に無関心どころか、逆行していそうに見える点。あいかわらずの分析スキル鍛錬なのだ。只、「新しい」というだけ。例えば、戦略立案とは創造性の勝負なのに、新技法を覚えさせたりするのだから時代錯誤もはなはだしい。議論やプリゼンテーションのスキルで創造性が向上するか考えればわかると思うのだが。それは不可欠だが、肝心のスキルを磨かせないのだからこまったもの。

このような鍛え方は逆効果になることがわからないのかも知れぬ。もちろん、分析能力は優れていないとお話にならないが、それを前提として、概念的思考ができないと。分析的に美しく立派な結果を生み出す方向に進んではこまるのである。それは、創造能力を低下させるからだ。

遊びでもよいから、新しい概念を生み出すことに挑戦していかねば。経験論でしかないが、残念ながら、それに向かない「優秀な」人はいる。しかし、自分でそれがわかれば、それも強味になる。創造能力が高い人を分析的に見つける工夫をするからだし、一緒に仕事をするスキルも磨くことになるからだ。アカデミックな分野は別だが、ビジネスでは研究者もエンジニアも組織で知恵を出すのだから。


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