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■■■■■ 2015.5.27 ■■■■■


アフリカの密猟ビジネスは絶好調

5月19日付シンガポールのリリースによると、3.7tの象/犀角/大猫犬歯の密輸が摘発された。
その写真が凄い。獲り立ての"生々しさ"そのものだからだ。
 【象牙】 1,783 個
 【犀角】 4 個
 【アフリカ大猫、豹、チーター犬歯】 22 個

ケニヤからベトナム向けのコンテナ(名目は茶葉)だが、経由地シンガポールでのこと。
2002年の6tに次ぐ記録的な量。
時価800万ドルとか。

2013年にも、1.8t摘発。
2014年に入ってからは4月に時価200万ドル分と、密猟ビジネスが仕組みとして常時稼働しているのは間違いない。

なにせ、2014年1月6日、広東省東莞市では「執法査没象牙公開銷毀活動/Destruction of Confined Ivory in China」ということで大々的に6.1tが公開粉砕されたばかり。まあ、中国官憲の信用度は低いから、「対応してます宣伝」でしかないと見られるのが関の山。その象牙屑は漢方薬に回されるのかネと噂されるのがオチ。

ともあれ、密猟はもう止めようがない状況。後は、行くところまで行くしかなかろう。
名目的な取り締まり強化をしたところで、市場は存在するのだから、希少価値が生まれるにすぎず、価格高騰で密猟ビジネスは巧妙化するだけ。レンジャーまでもが密猟者に変身しかねない訳で。そして、摘発を逃れるためのお金をかけた高度な方法が編み出されることになる。

特に、犀角の場合、漢方薬絶対主義者の需要は膨大である。こうなると、どうにもならない。死病が治るなどとの噂が流されたりするのだから。

これが、西洋社会にどう映るか考えておく必要があろう。言うまでもないが、日本も同じ穴の貉と見られているからだ。それで結構という人もいそうだが。

(参照)
"Singapore authorities seized illegal ivory, rhinoceros horns and big cats' teeth" 19 May 2015 AGRI-FOOD & VETERINARY AUTHORITY AND SINGAPORE CUSTOMS JOINT MEDIA RELEASE
「視頻:中国公開在東莞銷毀6.1執法査没象牙」 CCTV@新浪視頻sina video 2014年01月06日19:50
Ten Threatened and Endangered Species Used in Traditional Medicine By Joseph Stromberg and Sarah Zielinski smithsonian.com October 18, 2011

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