表紙 目次 | ■■■■■ 2015.6.25 ■■■■■ 四住期の現代性 1941年生まれの方のブログから引用。(6日のものだが、お忙しいようで、現在もそれが最新。そこで感じたこと。) 「いかに安上がりに長寿社会を生きて 最後も社会に経費負担をしてもらわないで この世を去るにはどうしたらよいか、 ようするに社会にとって、 非常に安上がりの長寿老人になるには どうしたらいいか、 こういうことを考えたいですね。」 世代は違うが同感。 「自分に沢山のお金があったら それを使うには何の遠慮もいらないでしょう。」 小生は、当然の話だと思うが、それを不快に感じる人は少なくないようだ。 特に、そういう人に限って自称リベラルだったするから、唖然。 最低生活が保障されているなら、貧乏人だろうが、お金持ちだろうが、自由に使える時間だらけ。そのなかで、互いに干渉せず、他の人に頼らずに生きることができる社会に進んで欲しいものである。それこそが本来的なリベラルの思想だと思うが。 今の課題は、イノベーションによるゼロサムゲームからの脱出。ゼロサムゲーム下での配分弄りは、イノベーション抑止効果しかないから、どん詰まりを招くことになる。そんなこともわからないようだ。 上記は、著名な現役生命科学者の言。 何故に、引用するかと言えば、そうなると最優先課題も自ずから決まってくるというストーリーになっていたから。・・・ 「自分の脳、 筋肉、 骨がいつまでもそこそこ使えること、 それによい栄養をとるのが大事。」 素人でも、そうだろうなと思う。 ただ、それでナンナノ感は残る。 矢張りそうか、・・・。 「若い頃に 研究したくない4大テーマがこれらでした。」 納得。 世界に先駆けて新しい知見とその理論を構築しようと血潮に燃える若き科学者がそんなことに興味を持つようでは。商品を生み出すエンジニアとは自ずと違う訳で。 小生は、長寿人間として生きていくつもりなら、ヒンドゥー教的教義「四住期」に従うのが一番と見るクチ。と言っても、宗教的信仰者とはほど遠い体質だが。 インドは貧困だらけと誤解する人が多いが、ヒンドスタン地域はモンスーン気候の肥えた広大な平地。そこは、古代から、飢えることなき生活が約束されていた地ではなかろうか。(日本列島は様々な食材があって楽しい地と考えることもできるが、一年中様々な食材探しの労苦だらけ。しかも、猫の額のような土地で単位収穫量向上を図るため、汗水垂らして一所懸命働かざるを得ない訳である。瞑想の余裕などなかろう。) 従って、有り余る時間的余裕を瞑想に当てる人が大勢生まれるのも、自然な流れと言えよう。そんな風土だと、高齢者は、社会に負担にならぬように生活するのは当然のモラル。それに、そんな生活を送ることは人生一番の歓びでもあろう。 働きたいから働くのだと、ご自分を説得するのも一つの道だが、自分なりの哲学を考える機会を持てる幸せをかみしめるのも悪い話ではなかろう。 樹木の下で、誰に気兼ねをするでもなく、自由に思惟を巡らす楽しさは格別では。そんな緊張感なき「信仰」は地に足がついた宗教とは言い難いと喝破したのは確か岡倉天心だったか。白楽天的悠悠自適生活を大事にする信条は、大衆的ではないから、まあ、そうかも。 しかし、それは安寧な生活が可能な素晴らしき社会が実現しているとも言えるのだが。 現代で言えば、「四住期」は、こういうことになろうか。 【半人前】社会生活の基礎訓練に励む。(学童) 【就学期】自分の意思で勉強に専念する。(学生) 【家住期】就業し独り立ちし、家族を形成する。(社会人) 【林棲期】家庭経営を終え、清楚な生活に入る。(引退) 【遊行期】世間的生活から足を洗う。(社会負担極小化) イギリスがインド統治に成功を収めた理由は、強大な軍事力と、植民地マネジメント能力の高さがあげられるが、イギリス人の体質も大きかったのではなかろうか。若いうちは仕事に精力を傾けていても、そのうち引退してのんびりと自然豊かな地で生活するつもりとの信条は伝わっただろうから。そんな体質に親近感を覚えた筈。 ちなみに、理想引退年齢だが、できれば50歳が理想との話があったように思う。ソリャそうである。40代後半にさしかかると、若い人からはジジイ呼ばわりされるのだから。 それが今では、60どころか、実質65。さらにこれをできれば70にという声を耳にする。まあ、財政は破綻しているのだから、致し方ないところ。 その昔は、英国人は、できる限り早く引退したい人だらけだったが、今はそうも言っていられないのである。この先、癌と循環器系疾病への対処が進むし、栄養学の知見も増え、健康関連産業も頑張っている。こうなると、50歳とは人生の折り返し点でしかなくなってしまう。大変な時代である。 (source) 「長寿人間のこころがけ、やりたくなかった4大テーマ」[2015年6月6日]@生きるすべ IKIRU-SUBE 柳田充弘ブログ (C) 2015 RandDManagement.com HOME INDEX |