表紙 目次 | ■■■■■ 2015.8.15 ■■■■■ 脱化石燃料姿勢を示すべし 先進国のニュースには必ずと言ってよいほど、異常気象発生の話が登場する。そんなこともあるのか、速報が毎週発表されている。 → 「全球異常気象監視速報」@気象庁 情報は有り難いが、ソレで、という気がしないでもない。 俯瞰的に全体像をとらえるのは、素人には難しいからだ。・・・ 大陸東海岸のモンスーンは激しさを増し、内陸の砂漠化が急進展するという以上の発想は浮かばないのである。このことは、冬季に入ると、ユーラシア大陸西部や北米で豪雪が予想されるということかネ。日本列島は暖冬かも。 【少雨】 中国東北部〜山東半島 メキシコ東部〜米国南部 独南部〜仏〜西北部 【低温】 中国大陸内南部〜タイ 【大雨】 ベトナム ミャンマー〜ネパール〜インド北東部 オーストラリア南西部 アルゼンチン東部 台風通過域 【高温】 中国東部〜中国大陸内北部 アルジェリア北東部 米国北西部 米国南部〜メキシコ南東部 アルゼンチン北東部 ともあれ、気象の変動が激しくなっているとの印象を与えるデータである。 これが、CO2による温室効果の影響といえるのかははっきりしないが、感覚的には、"いかにも"という感じ。 これで、欧米が豪雪に見舞われ、来夏も同じような現象に遭遇したりすれば、世界的に議論が沸騰してこよう。特に、経済成長抑制に繋がるCO2削減政策を嫌厭してきた米国や中国も、国内で大衆的な憤懣が勃発するだろうから、政治的にそれに応える必要が生まれよう。 それを横目で見ている訳にいかないのが日本では。 削減先進国との国内キャンペーンを打ってきたから、たいした批判を浴びることなどあるまいと勝手に判断しているようだが、小生は、真逆だと思う。 ほとんど数字的に貢献しないようなCO2削減運動を熱心に繰り広げる、いわば「自己満足」型運動を拍手喝采している状況だからだ。重要なのは「努力した結果」の数字である。 数字で見れば、日本は、今、反削減の旗頭であることを忘れてはなるまい。民主党政権が、原発事故を契機として、石炭まで含めた化石燃料をバンバン燃やす方向に振ったからだ。世界の流れに抗して、唯一、逆方向へと驀進している国なのだ。 従って、今の調子が続けば、早晩、日本は槍玉にあがること間違いなし。 そんな危惧の念を感じないとしたら、悲惨な戦争の災禍から何も学んでいないということ。 小生は、日本を悲惨な戦争に導いたのは、こうした「世界の流れの勝手な解釈」路線と見る。世界の潮流を知らせず、「反政権+反財閥」の単純正義感だけで、世論誘導した結果である。議論を封殺し、精神論を繰り広げるのであるから、そのような政治勢力が力を持つことになる。陸軍独裁国家への道を切り拓いた張本人とは、このような自称民主主義勢力である。 残念ながら、今も、当時とほとんど変わらない。世界の動きを無視し、独善的な正義を振りかざす動きを自慢する人だらけ。陸軍独裁を引き起こした反省の欠片もないことがよくわかる。 簡単に言えば、国際感覚からかけ離れ、国際連盟脱退を拍手喝采したような人達が、又、ゾロ復活している訳だ。 何を言っているか、おわかりだろうか。 CO2削減の「本気度」とは、数字で判定されるということ。数字的に全く逆向きなら、反削減派と見なされるのは当然の話。精神論を語れが語るほど逆効果。 それをわかっていて、敢えて精神論を打ち出すとしたら、それは「反グローバリズム」運動以外の何物でもない。これは、危険な動きである。 日本が戦乱に見舞われる可能性が高いのは、孤立した時だからだ。 つまり、CO2削減は、安全保障にもかかわる重大な課題と言うことになろう。槍玉に揚げられないように注意するにこしたことなし。 そもそも、東アジアに平和が実現できている訳ではない。朝鮮半島は今もって戦争状態だし、北朝鮮はついに核武装国になった。日露にも平和条約は無い。・・・単に、米ソ冷戦のパワーバランスで擬似的に平和が保たれていたに過ぎまい。 といっても、それは日本から見た平和である。その間、人民解放軍は、ロシア(ソ連)、インド、ベトナム国境で戦争をしかけていた。それに、モンゴル、ウイグル、満洲、チベットといった、かつての大国を担った民族に対し、毛沢東思想の真髄たる漢化政策が貫徹されたのである。こうした民に力がつけばこの先も平穏が続くとは限るまい。言うまでもないが、これらは、「美国帝国主義」とは何の関係もない。中華思想の政権である以上、こうした戦乱は避けられないだけのこと。(Chinaは一応地名だが、「中国」とは唯一無二の天子統治国の名称)日本は、この権威主義の軍事独裁国と"平和的に"共存していくしかないのである。国際的な枠組みを背景として、適当な妥協で乗り切る以外に手は無いということ。そのような知恵なくしては、戦争を避けることは無理。 要するに、孤立化を避けることこそが、平和を護る道である。その観点で、CO2削減に関しても、世界に発信していく必要があろう。 (C) 2015 RandDManagement.com HOME INDEX |