表紙
目次

■■■■■ 2016.2.4 ■■■■■


プラスチック汚染問題には注意を払うべし

世界の海に漂うプラスチックごみの量が、2050年までに、すべての魚の重量を超すとの指摘がダボス会議で話題になったそうだ。
ゴミもさることながら、どう見ても魚棲息数減少を甘く見た推定に基づいており、こちらの方が深刻な問題である。今の所、漁獲Ban導入しか対処方法がなさそうだから、いずれゴタゴタ必至。こちらの議論は低調だが、いつまでも頬かむりという訳にはいくまい。

常識で考えてもわかるが、プラスチックは、紙や金属の様には対応しかねる。当然、海に垂れ流す以外に打つ手無しの国だらけ。その状況で、先進国がゴミのリサイクルに力を入れたところで笊に水。未だにリサイクル率14%。
こうした指摘に応えるべく、先進国内だけは、リサイクル活動が強化されることになるのだろう。微々たる効果でも、やらないのは許せんという姿勢が強化される訳だ。

科学的な風合いの議論が多いが、かつての米国の禁酒法制定そっくりの動き。どう考えても、効果ゼロなのに、正義を通そうとするのである。つまり、政治を通した布教活動ということ。
ゴミだらけは倫理的に「悪」という宗教的動きと見るべきもの。

従って、そのような宗教家と対立しないように、自分達の姿勢を、上手に宣伝する必要があろう。それを怠ると「悪魔的」と烙印を押されることになるので要注意である。

そんな話をしているのは、槍玉にあげられそうな問題が浮上しているからである。
日経がプラスチック粒子による環境汚染に関する米国の動きを報道したのはほぼ2年前。しかし、日本はその動きに対応しているのかはなはだ疑問。
今や、スクラブだけでなく様々な製品にその利用が広がっており、業界が自主的に簡単に取り止めできる状況ではないから、どうにもならないのであろう。

米国で規制され、欧州でも同じ流れになり、日本だけは対応拒否に映るような雰囲気を醸成されてしまうリスクがあるということ。記事は、警鐘を鳴らしてくれたも同然なのだが、政治家は鈍感そのもの。

こうした問題への対応を間違えてはいけない。
どの程度の環境汚染で、その影響がどうのこうのという問題ではないからだ。繰り返すが、「悪魔的」輩と烙印を押される可能性があるから、それを踏まえて動かねば大損というだけのこと。時間は余り残っていない。

(日経記事)
「海のプラごみ増加に警鐘 世界経済フォーラム」 2016/1/22 12:01
「洗顔料のプラスチック粒子、米で規制へ 湖沼汚染を懸念」 2014/3/6 9:39
(CNN記事)
"Microbead ban signed by President Obama" By Jareen Imam December 31, 2015
(DailyMail記事)
"No more plastic in shower gels and face scrubs: Cosmetics firms pledge to remove harmful microbeads to protect the oceans" By Richard Gray 30 October 2015

(C) 2016 RandDManagement.com    HOME  INDEX