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■■■ 北斎からの学び 2017.11.5 ■■■


駿州江尻の先進性

なんと、・・・
"11月3日10時00分現在 朝から多くのお客様にお並びいただき、 館内混雑しております。チケット購入待ち約20分、入館待ち約80分です。"[大英博物館 国際共同プロジェクト 北斎−富士を超えて−@あべのハルカス美術館]

「富嶽三十六景 駿州江尻」の本質を考えてみたかったのだが、[→]コリャ、とても行けたものではない。

この版画は、質が若干違うものを幾つか眺めており、余りに完成度が高く、又、わざわざ見ようという気にはならない。版画ではなく、それに対応する絵画の方を眺めてみたかったのである。

といっても、このような発想ではない。・・・
「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」展@国立西洋美術館で登場するのは、以下の作品:
〇 Camille Pissarro[1830-1903]《L'Étang de Montfoucault en hiver, effet de neige/モンフーコーの冬の池、雪の効果》1875年[→(C) 吉野石膏美術振興財団]
〇 Claude Monet:[1840-1926]《The Esterel Mountains/アンティーブ岬》1888年[→(C) Athenaeum]

一本の樹木を目立つようにした、コンポジションの類似性を指摘している訳である。(特に、後者は西洋の伝統とはかけ離れたモチーフ。日本的感覚からすれば傑作だが。)

マ、そうなのであろうが、北斎の主題はあくまでも時間的推移。重要なモチーフはあくまでもヒトであろう。
樹木は、そのための構成要素の1ツであり、その洗練された表現は比類なきものと言ってよかろう。その技量は、現代作家も一目置いていると見てよかろう。・・・
Jeff Wall[1946年-]:"A Sudden Gust of Wind (after Hokusai)" 1993@Ann Jones - Art and Writing
Henri Rivière[1864-1951年]:「36 Vistas da Torre Eiffel[エッフェル塔三十六景]"Rua Lamarck[ラマルク街]"」1902 @YouTube Apresenta as 36 imagens da Torre Eiffel

[←販売されているレター]
小生の見たかったのは、ヒトを描いた肉筆画。版画のように洗練を狙わず、ヒトのドキッとする部分像を切りとって合成したもの。当然ながら、ヒトも背景もチグハグな構成にならざるを得ないがそれは誇張表現とは違う。ある意味シュールそのもの。
時代的に受け入れられることはない絵画であることを理解した上で描いたのであろう。不二無しだと、ヒトは自然にどのような気分で対峙するか、冗談半分で表現してみたといったところか。

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