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2007.7.18
 
 


Urban Challengeに想うこと…

 古い話だが、2005年に開催されたロボット自動レースは、運転制御技術が成熟してきたことを示した。
 なにせ、200Kmを超える悪路を10時間かからずに走れたのである。
  → 「モーターショウに早く出して欲しい車 」 (2005年10月26日)

 結果はともかく、Stanford大の“Computer Vision”チームの自動車開発過程が面白い。
  →  [約50分のビデオ] Sebastian Thrun: “Winning The DARPA Grand Challenge” (C) Google [2006.8.2]

 なんといっても印象的なのは、潤沢な予算をつぎ込んでもいないチームが勝てたという点。その象徴は、走った車。一般的なSUV車だった。しかも、Linux搭載のコンピュータ。こんな程度で自動制御可能なのである。
 DARPA主催のレースなので、軍事研究の豊富な資金を得ていたプロジェクトもあったにもかかわらず、ハードが優れていても勝てないことが歴然となった。

 このことは、おそらく、ミスした時、どうリカバーするかのプログラムが重要ということだろう。いくら精緻に動かすことができても、なにかの加減で、たまたま失敗すると、その後の対処ができなくなる場合があるのだと思われる。
 従って、予め、発生しそうなエラーを考え、モデル化することになる。このモデルの巧拙で勝負が決まる。
 換言すれば、この問題を乗り越えることさえできれば、商用化は意外と簡単なのかも知れない。

 もっとも、砂漠の道なき道の状況から、どちらに進むべきかを判断するのも、そう簡単ではなさそうだから、単純な見方をすると間違う可能性もあるが。

 こんな古い話を持ち出すのは、この“Grand Challenge”レース、衣替えするのだ。
 今度は、一段高いレベルの競争“Urban Challenge”(1)になる。市街地走行レースだ。

 自動走行自動車に、現実感がでてきた感じがする。

 ただ、DARPA主導の動きは、軍用車輌の無人化目標に対応するものになりがちだから、現実の交通用につながらないかも知れないが。
 ・・・と見ていたのだが、このレースに触発され、ついに、民生部門の動きが表面化してきた。(2)
 自動車がコンピュータの塊になるという将来像は誰もが感じていることだから当然といえば当然だが。

 まあ、すでにかなりの技術が「ドライバー・サポート」として搭載されているから、そう驚きでもないと言えないことはないが。

 高級車には、周囲の状況に合わせて自律的に操縦する仕組みが次々と入ってきたからだ。
 ・車線維持走行(3)
 ・0〜100km/hで車間距離を保ちながら追従走行(4)
 ・ステアリング操作なしに所定の位置に駐車(5)

 先進安全自動車(ASV)プロジェクト(6)も、すでに第4期に入っており、本格的な普及促進を狙うフェーズだ。
 スピードをあげて欲しいものである。
 又、ASVと一対のように進められてきたAHS(走行支援道路システム)(7)も、早くなんとかして欲しいものだ。
 すでに、道路情報に合わせた運転も可能なのだから、(8)あとは仕組み作りだと思うのだが。

 こうした流れで気になるのは、自動車の将来である。
 軍用車輌のロボット化は、直接要員を減らすゲーム型戦闘の時代を予見させるが、一般乗用車の自動操縦化によって、どんな世界がひらけてくるのかは、そうはっきりしている訳ではない。

 --- 参照 ---
(1) http://www.darpa.mil/grandchallenge/index.asp
(2) Dave Ferguson: “Autonomous Automobiles: Developing Cars That Drive Themselves” IEEE Xplore[2007.6]
  [Design Automation Conference, 2007. DAC '07. 44th ACM/IEEE]
  http://ieeexplore.ieee.org/xpl/freeabs_all.jsp?isnumber=4261114&arnumber=4261211&count=215&index=96
(3) http://www.nissan-global.com/GCC/Japan/NEWS/20001228_0.html
(4) http://lexus.jp/models/ls600h/comfort/driversupport/acc.html
(5) http://lexus.jp/models/ls600h/comfort/driversupport/ipa.html
(6) http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01asv/japanese/aboutasv.html
(7) http://www.ahsra.or.jp/whats_ahs/02/index.html
(8) http://www.aisin-aw.co.jp/02products/01car_navi/04navim/index.html


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