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2006.12.13
 
 


ダイコク様とは

 エビス様は外来神の筈だが、日本神話の神様になっているとの話をした。
  → 「エビス様とは 」 (2006年12月6日)

 このような変更は珍しいことではない。現に、七福神の旅行パンフレットには、恵比寿天となっていたりすることでも明らかだ。言うまでもないが、“天”とは、仏教を守護する異教の神のこと。戎神は“天”とは違うのである。
 しかし、現実には、戎神は戎神社に祀られているだけでなく、仏教寺院の夷堂にも祀られている。日本では、仏様を守る役割も果たしているのである。実体から言えば、確かに“天”である。

 この逆が、大黒様。
 こちらは、もともと、仏教の守護神“天”。その起源はヒンドゥー教のシヴァの憤怒の化身であり、偉大な暗黒という意味の非日本の神である。(1)

 しかし、日本では、ヒンドゥーの神とのイメージからは程遠い。どちらかと言えば、出雲の神と見られている。大国主と完全融合してしまったのである。大黒“神”までは行かないようだが。

 ただ、戎信仰とは違い、神社における交易活動を通じて広がった訳ではない。お寺主導の信仰である。と言っても、庫裏に祀られていた大黒天が商家の厨房にも祀られたということかも知れぬが、おそらくここまで広がったのは秀吉のお蔭だろう。
 武士でもないのに天下人になった秀吉は、三面大黒天(2)に願をかけたと言われているから、この効果は大きかった筈である。

 秀吉の願の影響かどうかはわからぬが、江戸城の鬼門除け役を仰せつかった、総鎮守神田明神のご祭神(3)は“だいこく様”(大己貴命)とされた。大国主命のことである。“えびす様”(少彦名命)とご一緒に祀られた。
 その結果、昔からの“まさかど様”(平将門命)は三柱目になってしまう。ただ、東京では、神田明神と言えば、どういうわけか未だにこちらの印象が強い。
 “まさかど様”は、天皇家に背いた朝敵と言えないこともないのだが、不思議と人気は廃れないのである。

 もっとも、今は江戸の神社というより、東京中心部の神社としての役割を果たしているようだ。
 魚市場・築地や、やっちゃ場の旧神田市場をかかえる下町イメージをウリにしているが、秋葉原、駿河台、日本橋、大手町、丸の内、一帯の氏子を持つ一大神社でもある。
 2006年1月4日の「仕事始め」には、ご利益を求めて、なんと3,000社の方々が参拝したそうだ。(4)
 → 続く  [2006年12月20日予定]

 --- 参照 ---
(1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BB%92%E5%A4%A9
(2) http://www.kodaiji.com/entoku-in/daikoku.html
(3) http://www.kandamyoujin.or.jp/about.html
(4) http://www.asahi.com/special/05-06/TKY200601040252.html
(ダイコク様のカット) http://www2.nkansai.ne.jp/users/harumi/


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