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■■■ 健康の考え方 2015.10.19 ■■■


睡眠時間は6時間でも十分

Scienceの記事の写真の下に説明文・・・
These San hunter-gatherers from Namibia get about 6.9 to 8.5 hours of sleep a night on average.

ホホ〜、狩猟採集民はその程度の睡眠時間なのだ。

「産業社会」になると、時間は徐々に短くなり、夜に画面を見続けるような現代生活になれば、脳が覚醒し、さらに短くなると考えがち。

ところが、実態から言えば、「自然のなかで生きる人々」とほとんど変わらない。と言うか、平均実睡眠時間(5.7〜7.1時間)で見ると、「現代的生活を送る人々」よりはるかに短いのだ。
定期的な昼寝もしないし、暗くなったらすぐに寝る訳でもない。灯りが無いところで何をするのか定かではないが、3時間程度は寝ないで過ごすことが日常。
ただ、夜明け前には、確実に目が覚めるらしい。

そういうこともあり、狩猟採集民(ナビビアSan族,タンザニアHadza族,ボリビアTsimane族)の睡眠実態調査結果は実に示唆に富む。・・・

小生は、朝の光に感応して身体が起床モードに入ると考えていたが、この結果はその見方を支持しない。
関係するのはもっぱら気温とされる。低温になると自然と寝てしまうようだ。カロリー摂取量が低い生活であるから、合理的な帰結でもある。
このことは、寝室の温度が睡眠に大きな影響を与えかねないことを意味していそう。

と言っても、動物には太陽光に反応する機構が存在していることが知られている。一般的にはそれが季節の変わり目に対応し、繁殖活動が最適時期に始まるように調整すると言われている。
ただ、ヒトは生殖の季節サイクルを失っているから、そのような機構は退化してしまったのかも。
ただ、一日のリズムを生み出す時計役を失っているとは思えないが。・・・睡眠時間はそのリズムと直接的に同期していない可能性がある訳だ。。
尚、一日の温度変化も顕著とは思えない極夜が続く地域で、越冬型海鳥の採食餌活動は普段の生体リズムに則ているそうだ。動物よ、夜だが、寝てはならぬということらしい。皆、冬眠という世界ではないのである。

う〜む。

日本の大都会は、朝は特異的とも言えるほど不活発。一見、不夜城化の裏返しに映るがそういうことではないのでは。
夜遅いから、朝に起床ができなくなるのではなく、本人が気付かないだけで、おそらくできれば「起きたくない」のだ。自分なりの理屈をつけるが、起きれば嫌いなことが待っているということ。
それはある意味意思抑圧なのは確かだが、その忍耐あってこその、社会的安定の実現。だからこそ、皆が普通の生活を送れる訳だ。
官僚生活はつまらないし、面倒なことだらけと言いながら、宰相まで勤め、相当の高齢になってからリタイアといった白楽天的生活はその体質にピッタリでは。気分がのっていれば早起きだが、そうでなければ昼までヌクヌク布団のなか。

生活が楽しく、したいことが待ち構えていれば、朝寝坊などありえない。
わかり易い例でいえば、ご来迎を見に山小屋に入るようなもの。たいていの人は日が昇る前に「自動的に」目が覚める。皆が起き出すから合わせているのではない。
釣り人も同じでは。前日、ウキウキして夜遅くまで釣り具点検。たいして寝ていないが、早く目醒めて出発が待ちきれなくなるもの。
その辺りは子供と全く同じ。
ところが、こんな時に起きれない人がいる。本当のところは、山好きとか釣り好きではないのでは。

(睡眠の話)「睡眠理論談を読んで (2014.10.7)
「睡眠時間の話を読んで」 (2014.8.21)
(ScienceのBiology News)
"Chances are, you’re getting enough sleep" By Ann Gibbons 15 October 2015 12:00 pm
(Current Biology論文)
Gandhi Yetish, et.al:"Natural Sleep and Its Seasonal Variations in Three Pre-industrial Societies" October 15, 2015
Jørgen Berge, et.al:"Unexpected Levels of Biological Activity during the Polar Night Offer New Perspectives on a Warming Arctic" September 24, 2015
(他の記事)
"Seasonal body clocks are controlled by 'calendar cells': Scientists identify proteins that determine when mammals mate" By Victoria Woollaston MailOnline 16:26 GMT, 24 September 2015

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