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「我的漢語」講座

第3回 点菜 2010.7.15
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〜 「菜単」で注文 〜
 異食文化に彩られたメニューを眺めて、じっくり検討するのは楽しいもの。特に、中華料理は地方毎の特徴が顕著だし、様々な食材を使う上、調理の仕方も色々と、その種類たるや膨大。料理を作ることも、それを食べることも、人生最大の喜びと考えていそうな感じする。
 西洋はどうも理屈臭さや、正しい食事を目指せ的な雰囲気があるが、中華文化は嬉しきことこそ善と見なすようなもので、美味しさを目指すべきとの信念が底流にありそう。日本料理は、見た目だけでなく、旨さや、材料の使い方にも、美学を求めるきらいがあり、相当な違いがある。
 和食系はこの美学が曲者。それこそ、美しくて形が揃っており、白い粉もつかない胡瓜を喜ぶのが日本体質では。味より理屈をつけた美学なのだと思う。長距離トラック輸送で痩せほそった活魚の刺身を新鮮で良しとするのもよくわかる。
 昔から、香港ではこうははこばない。料理店に“活きた”狸がいたりする訳で、お客が材料を眺めて“鮮度”を確認の上注文する体質。根本的に違う。「食在広州」には説得力がある。ここは、正真正銘の鮮甜だと思う。
  → 「外食文化の比較」 (2008年6月23日)

 まあ、そんな話はどうでもよいが、中華料理のメニューは面白い。もったいぶった、それこそ知る人ぞ知るような名称の料理もあれば、「火のかけ方+食材名+食材の切り方」だけの無味乾燥の名称もある。つい前者を選びがちだが、後者が絶品だったりする店もあるから面白い。
 そんなこともあるのか、観光本ではたいていお勧め料理を尋ねるフレーズが掲載されている。それを食べないと損だぜということか。
 ともあれ、そんな質問をして損はない。
   有推荐的菜吗
 問題は、お店の推薦する根拠がよくわからない点。方針は様々だと思う。小生は、特色あるものとか[特色菜]、得手な料理[拿手菜]とした方がよいと思う。素人の浅知恵かも知れぬが。

 メニュ−は簡単に読めないが、火をどう使うかの漢字は覚えておくと重宝するかも。中華街で訓練していれば、読むのはどうということはない。それにしても、矢鱈と調理にこだわる食文化である。何でも食材にしてしまうためには、そうなったとはいえその熱意には感服。
   煮
   ---弱火で煮つめる。
   ---煮込。土鍋[]。
   ---炒めてから煮込む。
   ---揚げてから煮る。
   ---揚げてから煮込む。
   炒
   爆---強烈な火力で炒める。
   ---揚げる。
   煎---油焼。
   ---BBQ/オーブン焼。
   燻---燻し焼
   蒸
   ---シャブシャブ。[]

 どんな料理かわからないばあいは、コレはナニ料理か質問するのも一興。どう答えてくれるかはわからないが。
   这是什么菜?
 是でなくにするのも面白い。
 こんな言い方もできるのだろうか。自信はないが、まあ通じるだろう。料理を作るという[]という目でみると、こちらの方を聞きたいところ。
   这菜怎么做

 さて味の方だが、これは日本語でも質問は難しい。せいぜいのところ、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味に、場合によっては旨味を加えるのが基本的な表現方法。よく知られているが、中国食文化には通用しない。
   酸、甜、麻、辣、咸
 苦は味覚の一種として認知されてはいるが、料理に登場するようなものではないからだ。毒というか薬での味覚だろう。その代わりが麻だ。これは、ご存知の麻婆豆腐の味。本場ものは確かに山椒が強くて舌が痺れてくる。日本では、辛さと痺れの違いはなかなか難しいところがある。言うまでもないが、カレーライスは辛味だろう。 非常辣咖喱饭てなところか。
 と言っても、苦味らしきものを感じることはある。それは、おそらく渋み。[]
 日本で好まれるのは清淡だが、このコンセプトを伝えるのは難しいのではないか。日本の見方は、おそらく脂っぽいのが淡の反対。しかし、定義からすれば、味が薄いと濃いの違いでしかない。つまり、v.s.の筈。この考え方なら、中華料理だと、塩からさが淡の反対という感覚になりそうな気がする。中華は油油的[油腻]とでも言ったら伝わるかも。

 どうあれ、口に合えばよいのだ。
   这我的口味
 まあ、中華料理は“普通”のものでもそれなり。香りが耐えられない方は別だが、そうでなければ外れることは滅多になかろう。

 さあ、注文しようか。
   点菜好
 あとは、料理名を紙に写して指示するだけ。
   我要这个

〜 お勘定 〜
 さあ、食べ終わったら“おあいそうにして”となる。お客が店に、愛想を振りまけというのだから、おかしな話。単純に“お勘定して”とか“お会計して”が良いと思うが。漢語ではそんな気遣いは無用だ。“PLS Check!”と同じようなもの。
   请 结耦/算帐
 普通に使われている言葉はわからないが、“請算帳”は覚えやすくていい。余りに直裁的だというなら、“伝票下さい”を丁寧に文章化することになる。伝票(発票)を出して(開)、我に給付するよう、君に要請。正しいかはわからぬが、通じるのではないか。
   我请你给开发票

 勘定を払うとなれば、・・・。
   買単。[買→买、単→单]
 菜単と同じことで、注文伝票リストを買い取るということか。
 できればカード払いにしたいところだ。先ずは使えるか要確認。
   能用信用card?[card→卡]
 可能かは、能でなく、可以がよさそうだが。
 支払いしたいなら、言うまでもなくサインできるようにしてもらうこと。
   刷卡
 そうそう、DOGGY BAGを忘れずに。
   我想帯走、请打包;

 と言うことで、第三回はこれまで。
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