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「我的漢語」講座

第9回 国 2010.8.11
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 突然だが、中国外交部のサイトを見ていて、これは厄介極まりないと思ったのが、国・地域の名称と人名。日本はカタカナを外国語表記文字として使っていることがすぐにわかるが、漢語ではそうはいかない。固有名詞であることを知らないと詠みづらいこと夥しい。
 人名はさておき、主要国名位は覚えておく必要があろう。

八国集团
   美国USA ・・・毛沢東時代から有名。
   日本Japan 英国UK 加拿大Canada
   法国France 德国Germany 意大利Italy ・・・“仏独伊”ではない。
   俄国(俄罗斯)Russia ・・・“露”とは思えない。
   [欧盟]EU
     联合国安全理事会常任理事国の中国はメンバーになれず。
       ・・・UNは“国際連合”ではない。
  G20になるとさらに以下が加わる。
   【欧亚大陆
     印度尼西亚Indonesia 印度India 韩国Korea
     土耳其Turkey 沙特阿拉伯Saudi Arabia
   【北美/南美】 墨西哥Mexico 阿根廷Argentina 巴西Brazil
   【大洋洲】 澳大利亚Australia
   【非洲】 南非South Africa

东盟 ASEAN■
   印度尼西亚 ・・・“印度”と“印尼”に注意。
   泰国Thailand 越南Vietnam ・・・昔から知られていたりして。
   新加坡Singapore 马来西亚Malaysia ・・・そう言えば、といったところか。
   菲律宾Philippines ・・・これは簡単に覚えられない。
   缅甸Burma(Myanmar) 文莱Brunei 老挝Laos
   柬埔寨Cambodia ・・・一瞬、“東”と見間違う。
   候选は、东帝汶Timor-Leste 巴布亚新几内亚Papua New Guinea

中东地区
土耳其Turkey 沙特阿拉伯Saudi Arabia  埃及Egypt  伊朗 Iran  伊拉克Iraq 
以色列 Israel  叙利亚Syria 
约旦Jordan  黎巴嫩 Lebanon  巴勒斯坦Palestinian territories 
科威特Kuwait  巴林Bahrain  卡塔尔Qatar  阿拉伯联合酋长国UAE
也门Yemen 阿曼Oman

亚洲
印度India 巴基斯坦Pakistan 巴基斯坦Pakistan  孟加拉Bangladesh
蒙古Mongolia 阿富汗Afganistan  尼泊尔Nepal
欧洲
西班牙Spain  葡萄牙Portugal 法国France 意大利Italy  希腊Greece
荷兰Netherlands  比利时Belgium  卢森堡Luxenbourg
英国UK 爱尔兰Ireland
丹麦Denmark  瑞典Sweden  芬兰Finland 挪威Norway 冰岛Iceland
德国Germany 波兰Poland 俄罗斯Russia
匈牙利Hungary 奥地利Austria 瑞士Switzerland
大洋洲
澳大利亚Australia  新西兰New Zealand
□南美/非洲□・・・割愛。アフリカは埃及、南非、中非だけでは寂しいが、ご勘弁の程。

 国際組織もざっと見ておこう。読む分にはすぐわかるが、書くとなると、機構、機関、組織の用語をどう使うべきか迷う。
组织/机构
国际货币基金组织IMF 国际原子能机构IAEA  国际能源机构IEA  国际劳工组织ILO
世界银行World Bank 世界贸易组织WTO  世界卫生组织WHO
联合国教育、科学及文化组织UNESCO 联合国儿童基金会UNICEF
联合国维持和平部队PKO  联合国粮食及农业组织FAO
经济合作与发展组织OECD
北大西洋公约组织NATO
亚洲太平洋经济合作组织APEC 亚洲开发银行ADB


 名称は決め事だから、覚えるしかない。最後に中国的な“地域観”を考える上での笑い話的なオマケ。 [blog 週間中国的生活[2009/04/17]の引用を見て。]

【殷人心中的・・・】 河南省鄭州だが、ここら辺りは“”ではないか。
 中 v.s. 東夷・西戎・南蛮・北狄  ・・・誰でもご存知。

【老北京人眼中的・・・】 当たり前だが古都であり、“”と呼ぶべきか。
 首都心 v.s. 村、+城市  ・・・鄙感は何処も同じ。ただ、一目置く都市はある訳だ。

【北京人・・・】 ここはまぎれもなき“”である。海に出る都市は、もちろん、“”。
 和平で繁栄の街らしく、国全体の区分発想が面白い。
 ・初/中/高
 ・小市民/才子佳人
 ・小愉的老家++妓女的老家  ・・・西域、元/蒙古、清のイメージは共有できる。

【上海人・・・】 “”だろう。
 ここは租界の地でもあり、文化の窓口。
 自ずと、分け方の視点もそうなる。
 ・暴力犯罪、危険奇怪/妙房、騙子
 ・未知空間
 ・小愉、旅

【湖南人・・・】 “”。
 毛沢東と劉少奇の出身地だ。青銅器文化の大元でもある。
 ・冷地帯的不可思的火星人
 ・毛家
 ・黒心商人
 ・次元空

【福建・広東人・・・】 “”と“”で、独自の言葉だ。
 お金儲けがお得意そうで“食”に特に拘る地域という印象が強いがどうなのだろうか。
 まあ、福建は華僑の元締だし、広東は料理帝国だからプライドも高かろう。
 伟大的南方人 v.s. 都是
 日本で言えば、東 v.s. 西で貶しあう感覚だろうか。
 ただ、地域別の違いは大きいから、二分で済ませることは難しそうである。
 ・満洲、大老的家、一片黄色的地方
 ・風景最好的地方、可的西部

【日式・・・】
 日本から見ると、どうなるのだろうか。
 食べもので分けそうな気もする。まあ、色々な表現を合わせるとこんなところか。
 ・満洲
 ・黄沙漫漫、黄土
 ・中共中央、地域
 ・寒冷山梁、少数民族共存

 実は、この話の一番のポイントは最後に登場する地政学的お話。
 美国人的眼中世界图なのだが。・・・
  ・美国-殖民地-性興便宜-看门狗-邪悪世界
  ・靶場/暗黒世界  ・・・言うまでもないが、中東とアフリカである。
   日本は門番犬扱いだが、邪悪世界の狛犬にしてあげてもよいぜというところか。
大ロシアあるいは中華思想の持ち主は、昔から地政学が大好きである。地政学をざっと眺めたいなら、下記の米陸軍テキストか。
CHRISTOPHER J. FETTWEIS: “Sir Halford Mackinder, Geopolitics, and Policymaking in the 21st Century” 2000年
http://www.carlisle.army.mil/USAWC/parameters/00summer/fettweis.htm[リンク切れだが、キャッシュあり。]


 と言うことで、第九回はこれまで。
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