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「我的漢語」講座

第8回 野菜 2010.7.29
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 折角、魚と果物の単語を見たから、野菜も眺めておこうか。

■野菜→蔬菜
まず菜葉系だが、大陸由来系はそのまま。ただ、チンゲンサイは青梗菜の梗が欠落しているようだ。尚、ニラはメニューを見ると韮の草冠が省略されていることが多い。尚、芹は小型セロリかも。
   空心菜[>>>]白菜[>>>][>>>]香菜[>>>]芹菜[>>>, >>>]
   チンゲンサイ→青菜、(黄)にら[>>>]韭黄、タカナ類似→雪菜
   油菜[>>>]は菜種だが、見かけは小青梗菜である。
一方、西洋系は見ればわかる。つまり覚え易い。ついでに、緑モノでないものもつけ加えておいた。
   キャベツ[>>>]巻心菜、レタス[>>>]生菜
   カリフラワー菜花、タマネギ洋葱
ホウレンソウもまあわかる。
   菠菜[>>>]
香菜はハーブという感じなので、ついでに香辛系も見てみると、同じ。大とか生は自明か。
   [>>>][>>>]
   ゴマ→芝麻 胡椒 辣椒[>>>]
   “椒”は地場の山椒だが、“胡”から来たのがコショウということ。
   それなら、“辣”ではなく“(吐)番”にするとピッタリだが。
   “芝”も“胡”の方が感じがでるのに。残念至極。

豆苗はモヤシと違って比較的最近日本で普及した野菜だ。少し豆も見ておこう。エダマメはズバリ感あり。ソラマメは知る人はそのままだが、空豆の当て字を使うこともあるので、忘れていたりして。インゲンは隠元和尚の到来ものだから、どうなっているか気になったが、あ〜、成る程。泥鰌でなくサーベルか。
   もやし→豆芽、えだまめ→毛豆
   蚕豆[>>>]、いんげん[>>>]菜豆/青刀豆 グリーンピース[>>>]豌豆
スナックエンドウ的な甜豆もある。ところで、沖縄辺りで登場する四角豆はどうなのだろうか。

葉モノでない緑ものはピーマンだが、この手の外来系はだいたいわかる。小生はトマトは番茄かと思っていたがそうではないらしい。日本でも昔は野菜ではなく、砂糖をかけて食べる果物的なものと聞くが、そんな感覚があるのだろうか。
   青椒、トマト→西红柿/番茄茄子[>>>]

さて、次は瓜の系列。これはそのまま。ただ、きゅうりが胡瓜ではないのが難点。
   南瓜[>>>]冬瓜[>>>]苦瓜[>>>]、きゅうり→黄瓜

根菜だが、これは全く違うので覚えるしかない。
   だいこん[>>>]萝ト、かぶ[>>>]圆萝ト、 にんじん[>>>]胡萝ト
ただ、“人参甲鱼”という料理もある。药膳の朝鮮人参は同じ文字である。言うまでもないが、ニンジンとは全く違う種の野菜である。
 牛蒡の文字は同じだ。

芋系はまあなんとなく。馬鈴薯とか、甘薯とは言わないのだろうかだ。
   じゃがいも[>>>, >>>]土豆、さつまいも→红薯、さといも[>>>]芋頭
そうそう、重要なものを忘れるところだった。トウモロコシ。黍ではなく米だ。スープ名でよくみかけるのでお馴染みの文字ではある。
   玉米

最後に、山モノをあげておこう。この辺りは覚えていなくてもだいたい想像がつく。
   たけのこ[>>>]竹笋、 しいたけ[>>>]鲜菇、キクラゲ→黒木耳
   エリンギ[>>>]杏鲍菇/柱茸、フクロタケ→草菇松茸菇[>>>]
まあ、茸の種類はいろいろだからよくわからないが。
   姫松茸蟹味菇、・・・。
そういえば、クワイ[慈菇][>>>]は草冠は付くがほとんど同じ文字だが、違う種類。

尚、新規モノはほとんど音で表現すると思っていたが、そうでもないらしい。さすが食にこだわる人達だ。アボガドは野菜としては扱われないようだが・・・。
   アスパラガス[>>>]芦筍、アボガド→牛油果

 ついでながら、野菜料理だが、小生は基本は青菜の煮込みではないかと見ている。京都弁の“焚いたん”である。
 基本となる青菜は青梗菜だろう。この場合、調理の実態は“炒”に近いと思うが、これを真似しても、日本の家庭ではたいしたものができない。火力が弱い上、湯通しをしないからだ。色は落ちるし、水分もとんでしまう。まあ、乾貝(干貝柱)とか、蟹肉と一緒に煮るのが無難なところ。
 その観点では、白菜がよいのだが、日本の場合は中華的要素を毛嫌いする。白菜の美味しさを味わうなら、新鮮なものより水分が少しとんだ古いものが上質だし、黒斑点付きは結構なものなのだが、どちらも不良品とされるからだ。
 それはともかく、調味が肝心。鸡油蚝油辺りか。クリーム系がすきな人もいるか。こちらは、奶油だ。
 尚、本式の“炒”調理なら空心菜が合っている。大蒜か腐乳で。
 挽肉合わせ調味料入りのレトルトで、なんでも“麻姿”という風潮もあるが、これは一寸。小生は、“麻姿茄子”は和風中華と感じた。茄子を生かすなら“麻”味ではなく、甜麺醤系ではないか。そして、皮は剥いて使うべきでは。

  餐庁、茶館、点菜、海鮮、果物と見てきたから、これでなんとか簡体字記載のメニューを見て判断できそうな気分になってきた。といっても、「民以食為天」の世界に素直に入っていけるとは思えないが。

 と言うことで、第八回はこれまで。
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