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「我的漢語」講座

第10回 肉 2010.8.12
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 食で肉が抜けていたが、まあわかりそうなので、ほったらかしにしようと思ったが、それも気になるので一応触れておくことにした。特段調べていないので、間違いもあるかも。

肉类
 肉と言えば。そして、出汁の素ともいえる
 他の四足は牛 羊 鹿 兎となろう。鳥なら。尚、カモは野鸭で、大規模飼育可能なアヒルは鸭子雉鸡は登場しないようだ。そうそう忘れてならないのが、卵である。鸡蛋 鸭蛋 鹌鹑蛋。日本の鶉とは違うと聞くが、写真を見る限り同じ。覚えるのが面倒だから、頭の文字はご勘弁願うか。

 実際に豚肉をどう食べるか、メニュー上で検討しておこう。
 先ずは、火腿。広大な大陸だから、地方特産品だらけだろうが、日本ではご存知浙江省の金华となる。中華街でコースを注文すると、どういう訳か生ハム的に香菜をつけたりして登場してくる。小生は、これはスープ用咸肉だと見ているのだが。実際、余計なモノを一切使わない金華ハムの冬瓜湯など絶品だと思う。日本人的な素材それぞれの風味を楽しむ癖で高く評価しているだけかも知れぬが。
 はもちろん部位名である。他は、肩 腰 里背 肋排といった具合。説明は要しないだろう。そうそう、最近は美容によいとかでも人気とか。
 ベーコンは、燻肉ではないかと思うが、観光本によれば咸肉と言われているようだ。まあ、その一種ではあるが。
 腸詰はずばり香肠。字の通り、香りは作り手で相当変わってくる代物。

■猪肉■
 “菜”だが、例えば、“黒醋猪排”を結構見かける。スペアリブの唐揚黒酢煮だが、骨付きなら“肋排”にしたいところ。“排骨(パーコー)ラーメン”でよく知られているから、なんとなくわかるが、調理方法の文字が省略されているとことを見ると、有名だし自明ということか。
 漢語初心者にしてみれば、 炸猪排という風に書いてくれると意味がわかるのだが。これなら、ソテーだろうから、多分、バラ肉のカツレツ料理と推定可能。揚げたロースのトンカツではないということ。そちらは多分“日式”となるのだろう。

 黒酢は一過性の流行かも知れないが、酢味といえば、やはり酢豚。どこの中華料理屋でも注文可能な定番料理。ご存知と思うが、英語ではSweet and Sour Porkだ。しかし、漢語は醋肉ではなく古老肉/咕噜肉。もともとは柔らかいヒレ肉だったのを、脂身肉を使うようになって、その食感からこの名前になったのだろうか。
 ただ、糖醋排骨という名称のスペアリブ料理は見かける。

 あと良く知られている料理は青椒肉丝 回锅肉だろう。スーパーの合わせ調味料の棚には各社の製品がしのぎを削る。前者はそのものズバリでよくわかる言葉だが、後者はコレなんだかねという表現。肉の切り方からいえば、肉片とすべきだが。そうそう、回鍋だから、正式には肉を茹でて鍋に戻す料理の筈で、日本式は全く異なる訳だ。それに四川料理なのだから、キャベツ使用という訳でもなかろう。基本は長葱かな。
 生姜烤猪肉はどの程度人気があるのだろうか。日本の加熱の実態は““だが、肉だけ調理するなら“”の方が美味しいと思われる。

■牛肉■
 牛料理は主流ではないが、一番ポピュラーなのは 蚝油牛肉だろうか。小生は、豆鼓味の方が好きだが。ただ、中華街のメニューだと、味付け名称ではなく时菜炒牛肉が多い気がする。と言うか、それを勧められる訳である。
 和のスキヤキ[寿喜烧]は、もちろん日式牛肉火锅。そういえば、沖縄でステーキ屋に入ったら牛排表示の中国語メニューを出された。台湾用語だと思うが、大陸も同じだろう。サーロインより腰肉の方がわかり易いことをここで知った。
 まあ、加熱用語を覚えていればなんとか想像できそうな気がした。烤牛肉はローストビーフということで、炖牛肉となればシチューか。

 牛の肉末料理だが、米国文化が急速に流入しているから中国でもハンバーグは結構食べられているのではないか。“汉堡牛肉饼非常美味”といったところでは。

■羊肉■
 羊料理と言えば、ジンギスカンだが、ムード的には火锅のシャブシャブ涮羊肉だろう。
  炸羊肉(片)もあろうが、烤羊肉串が定番と言えるのでは。所謂、シシカバブーだ。 この場合、モンゴル風になるからクミン[孜然]が加わること必定。 
  →  「邪道の串焼き料理」 (2009.7.22)

鸡肉・鸭肉
 鳥料理となると、どうしても (北京)烤鸭となる。しかし、ローストチキン[ 烤鸡]も悪くなかろう。日本なら、そんなものより烤鸡肉串となりそうだが。
 よく登場するのは、一口大の肉とカシューナッツの炒めもの腰果鸡丁だが、この調理は一応は“炒”だが、家庭から見れば、相当火力の強い“爆”に近いものに映る。もともとの四川料理宫保(爆)鸡丁の名前がついている場合もある。本来はピーナッツだが、花生とは言わないらしい。本気で四川なら、ナッツなどでなく唐辛子そのものを使った辣子鸡丁になるが、こればかりはご遠慮申しあげたい。味噌味にすれば、酱油爆鸡丁だ。
 日本では、四川料理と銘うっていても、唐辛子量を僅かにしてあるものが多いから、同じ名前でも全く違うものなのかも。その典型が冷菜の棒棒鸡。専用ソースのレトルトが沢山スーパーに並んでいるが、辛味を徹底的に抑えて、ほとんど胡麻味のものも。

 尚、冷菜によく登場する葱風味系は白切鸡で、広東だ。「清平鸡」が有名らしい。四川の冷菜なら、椒麻鸡片とか怪味鸡片である。“片”でなく、“”にすれば、辛味ドレッシングの鶏サラダだ。もちろん、好きなら、逆に“(塊)”でもよいのかも。ともあれ、これらのタレの味は複雑であり、大人しかその良さはわかるまい。
 そうそう、なんの変哲もない薄塩味の蒸鶏厚切りが登場することがあるが、それは盐水鸡だ。
 “”に戻ると、柠檬烤软鸡といった、レモンソテーもある。
 “”なら、软炸鸡块。所謂、唐揚。これをタレに漬けたのが 油淋鸡なのだろうか。中華料理店のサービスランチで見かける名前だが、どこもソースが“特製”と称していてもともとはどんな料理なのかさっぱりわからん。黄焖鸡块になると、なんとなくドロ〜とした鶏脂の黄色の塊を連想させる文字だが、唐揚を煮た料理らしい。
 まあわかり易いのは、芙蓉鸡片か。蟹でなく鶏というだけ。御蔭で余り触手が伸びないが、こういう料理こそ腕の見せ所なのかも。

 と言うことで、第十回はこれまで。
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