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「我的漢語」講座

第19回 中国政治の一端 2010.10.12
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中国政治の核はあくまでも人民解放軍。
 中国との揉め事はあってよかったなどと言うと袋叩きにあいそうだが、冷静に考えれば、現実にはそんなところかも知れぬ。
 ことあらば、中華大国がどのように動くか、世界に示してしまった感は否めまい。同時に、日本の為政者の稚拙な動きも歴然となった。国内的には、これで、どちらについても幻想を持つ人がいなくなったのではなかろうか。
 特に、日本の場合は、こういうことでもおきないと、流行にあわせて幻想を振りまくことを商売にしている人が大勢いるから危険極まりない。なにせ、誰が見ても権力闘争としか映らない文化大革命を絶賛したり、紅衛兵の暴力的活動を支持する人が闊歩していたのが、この日本なのだから。政治を商売にしている人は少なくないのに、その現実を見たくない人が多すぎるのが日本の一大欠陥といえそう。

 中国のことなど、ちょっと振り返ればわかる筈。
 人民解放軍が主導する中国共産党政府だけが、国境紛争にえらくご執心だったのである。なにせ、隣の2つの大国と戦乱も辞せずの態度を鮮明にしていたのだ。それが、そのうち静かになったのは、下記の方針が貫徹されたからという訳ではない。和平原則など、その昔からある。日本に対して、平和友好、平等互恵、相互互恵、長期安定を繰り返し主張してきたのはご存知の通り。
  和平共处五项原则
   互相尊重主权 和 领土完整、
   互不侵犯、 互不干涉内政、 平等互利和和平共处。

     http://news.xinhuanet.com/ziliao/2004-06/09/content_1515866.htm
 なにが態度変更の決め手になったかなど素人にもわかる。ある日突然、人民解放軍がベトナム侵攻を始めたのを覚えている人も多かろう。結局、中国側完敗。当たり前だ。人民解放軍の体質を良く知っているベトナム軍が備えを怠る筈がないからだ。

 これを教訓として、人民解放軍はとことん軍備近代化に励むことになったのは有名な話。常識で考えれば、勝てるまで我慢政策でしかない。なにせ、現時点でもこれが続いているのだから。・・・世界中の政府が財政難で軍事費カットに動いているなかで、人民解放軍だけは大盤振る舞い予算で徹底強化に邁進中なのである。

 そもそも、中国共産党は、無産階級独裁を基本原則とするしかないのは明らか。権力基盤である人民解放軍は基本的に貧農の軍隊だからだ。そこは、“我向毛主席発誓”の世界に違いないし、そのレゾンデートルは抗日であり、最重要課題である台湾解放実現のための反美国帝国主义思想と見て間違いあるまい。
 なにせ、一億人以上の絶対貧困層を抱えている広大な国である。文化が全く違う地域の寄せ集めにすぎない国だから、強固な中華思想のもとで中央政府が強権発動できる体制を敷かなければ国は分裂してしまう。21世紀であっても、軍閥割拠の世界になりかねない危険性を秘めた国である。
 鉄砲から政権が生まれるとの毛沢東主義堅持は自明。それこそがケ小平路線そのものでもある。
  四项基本原则
   第一,必须坚持社会主义道路
   第二,必须坚持无产阶级专政
   第三,必须坚持共产党的领导
   第四,必须坚持马列主义 毛泽东思想。

     http://news.xinhuanet.com/ziliao/2003-01/20/content_698005.htm

 このような隣国と平和を保つのはそう簡単なことではない。少なくとも、緊張感なき友好は危険極まりないのは自明。そんなことは、倭・大和朝廷の時代から連綿と続いてきた常識だろう。

経済政策は改革・開放である。
 ただ、その一方で、掲げた経済路線は日本以上に自由経済的な方針。特に、雇用や価格政策では、日本の方が社会主義的な姿勢を貫いてきた不思議さ。
  四放开 是指
   经营范围放开,
   价格放外,
   用工放开,
   财务收支放开


 この政策が機能したのは、経済牽引車の意欲を高める効果があったから。中国の為政者は自国の実態をよく見ていると思う。そして、今や、“深速度”は奇跡ではなく当たり前の話になっている。
  三资
   外资 利用外资 外经合作

 投資を活発化させ、创汇(外貨獲得)に励むのが、経済発展に有効であるのはすでにわかりきっていることで、それを忠実に実現しているにすぎないが。まあ、秀逸と言ってよいだろう。

 そして、今や世界経済の牽引車として自負するまでに。自由主義経済界は“ 黑色星期一股灾”で深手を負うが、中国は大丈夫だとの自信がついたようだ。それを武器に中華帝国膨張を図らないでくれればよいのだが、そこはなんとも言い難い。
 ただ、稀土金属禁輸措置については、冷静に考えた方がよい。コレ、労働衛生や環境を考えると、先進国は二の足を踏む手の事業。安全保障上の問題はあっても、できれば政治的に安定している独裁国からの輸入に頼りたいという、もともと矛盾した話。みえみえのご都合主義である。もともとそのうちなんらかの摩擦が発生しておかしくない代物である。
 それより大きな問題は、中国のエネルギー確保の動きや、大量炭素排出型産業温存の方である。これは摩擦は避けられない。発展途上国的地域だらけの大国だから、この両者が上手くいかなければ、経済発展は頓挫することになる。それを避けるためにはなんでもするに違いない。背に腹は変えられないのである。

市場経済化は進む。
 と言うことで、色々問題はあるが、資本市場をグローバルな視点で拡大する路線だけは定着したようである。热钱を無理に押さえ込むこともしないことが大きい。ただ、バブル化し易いからリスクは高いが。
  ともかくニュースを見ていると、資本市場への関心は日に日に高まっているようで、日本とは大違い。いまや、簡体字案内は不可欠になってしまった。

纽约证券交易所 [NYSE] >>>[纽约泛欧交易所] (C) NYSE
  Dow Jones Industrial Average→ ・ 道琼斯工业平均指数
  Standard & Poor's 500 Stock Index→标准普尔500指数
  Nasdaq Composite Index→纳斯达克综合指数
伦敦证券交易所 [LSE]
  Financial Times Stock Exchange 100 Index→伦敦金融时报100指数
法兰克福证券交易所 [FWB]
  DAX[Deutscher Aktienindex]→コ国DAX指数
东京证券交易所 >>>[簡体字表示] (C) TSEG
  TOPIX→东证股价指数
  日経平均株価→日经平均指数
新加坡交易所 [SGX] >>>[簡体字表示] (C) SGX
  Straits Times Index→海峡时报指数
香港交易所 >>>[簡体字表示] (C) HKEx
  Hang Seng Index→恒生指数
上海证券交易所 >>> (C) SSE
  上海证券交易所综合股价指数

 ところで、ニュースでは簡体字の新聞社や通信社の名前がすぐに判別できなかったりする。良く登場する通信社(ロイター、AFP、AP、ロイター)は覚えていないと、なんだかわからずとまどったりするからざっとでも一度見ておく必要があろう。
 新聞は欧州やロシアの引用が結構多い感じ。と見るより、日本では欧州の話が少なさすぎるということ。日本の“全球”意識は相当違うので注意した方がよい。特に、日本ではアジアのニュースは極めて少ない。欧米での国際ニュースでのアジアの取上げ方と比べてもそうなのだから、日本にはアジアの一員という意識は希薄ということ。これが現実。
 そうそう、“○○新聞社”との名称は日本だけと言いたいところだが、ブルーグバーグ新聞があった。
 (煩わしいので以下“社”の文字は除いている。)

 だいたいは以下の単語がついているから、独自の名称が想像できれば、新聞であることはわかる。
  “Times”→时报  “Post”→顿邮报  “Daily”→日报  “News”→新闻
  “Tribune”→论坛报  “Herald”→先驱
 ただ、The TimesやLe Mondeは戸惑うかも。気になったので、英国の大衆紙名を見てみたがそのままの訳だった。

【日本】
通讯・・・时事 共同    NHK→日本广播协会
新闻・・・朝日 读卖 日本经济 毎日 产经
【法国】
AFP→法新---“法”国の“新”。徳や俄も同様。
L→(法国的)世界报  IHT→国际先驱论坛报
【英国】
Reuters→路透  BBC→英国广播公司
FT→金融时报
The Times→泰晤士报  I→独立报  G→卫报
Sun→太阳报   Sunday Telegraph→星期日电讯报
【俄斯】---これが結構多い。
RIA Novosti→俄新   ITAR-TASS→俄塔/塔斯
プラウダ[Pravda]→真理报---流石の名称。
インターファックス[Interfax]→国际文传电讯
【徳国】
DPA→コ新  BILD→图片报
【美国】
AP→美联   UPI→合众国际  VoA→美国之音
ABC→美国广播公司  CNN→(美国)有线电视新闻网
WSJ→华尔街日报   WP→华盛顿邮报
LT→洛杉矶时报  NYT→纽约时报   CT→芝加哥论坛报
CSM→基督教科学箴言报---箴言報道か。成る程。
USA TODAY→今日美国---“報”の文字が不要なのは、“人民中国”的なものと見なしたからか。
Bloomberg News→彭博新闻
NW→新闻周刊  US N&WR→美国新闻与世界报导

 そうそう、中国のニュースで取上げられる日本の話はもっぱら政治。
 経済記事は少ない。それでも、ちょくちょく日本の話が登場するから関心を集めている訳だ。危険な隣人だから、注意を怠るなといったところか。
 欧米では、日本の情報はベタ記事扱いと見てよいだろう。“法国的世界报”に至っては、政治・経済・文化面向けの報道には関心ゼロで、奇妙な記事がお得意。
 もっとも、そう言われて驚く人は、WSJばかり見ているということ。年中、日本経済の記事が掲載される唯一の新聞。しかし、面白いのは政治記事は欧州の小国より少ない。御蔭で、たまに掲載されると日本のマスコミは必ず関心を示す。おっと、脱線してしまった。

 と言うことで、第十九回はこれまで。
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