■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[1da釋詁]■■■
一寸見だと、釋詁の全体構成は、よくわからないものの、マ、そんなもんだろうと諦めムードで眺めることにならざるを得ない。
と言う調子で、頭の4項目を眺めて来た。・・・。
  【始】【君】【大】【有】・・・【終】【死】

しかし、よくよくみれば、冗談としか思えない記載もある。
  初 哉 首 基 肇 祖 元 胎 俶 權輿…【始】
  崩 薨 無 祿 卒 徂 …【死】
しかも、別途、中間に収録箇所がある。
  隕 磒 湮 下 降 墜 摽 蘦…【落】

ただ、上記は、現代の日本語国語辞書的な風合いを感じさせるものがあり、実に親しみ易い。

考えて見れば、<落ちる。>を説明する場合、<何が>落ちるかということになり、連語好みである漢語だと<〜落>という2文字表現をしたくなるだろう。(逆順の<落〜>にすると動詞+目的語と見られかねない。)
<落々>でもよいが、言葉に色付けしたいだろうから、別文字を持って来る筈。その手の文字は結構頻繁に用いられておかしくない。当然ながら、<〜>部分は<落ちる>とほぼ同義文字的になることが多かろう。(<落ちる。>はかなり普遍的な語彙だから、<〜>部分は反意義あるいは強調や特異性等の表現も多いと思われる。)
さらに、具象的な意味での<落ちる。>を、比喩的に使うことになれば、種が落ちるならそれは<始>だし、命(魂)が落ちてしまえば<死>となるのは、現代人でも納得である。(魂は天に昇るのではなく地に還るという観念の場合。)

そうなれば、用法は広そう。
この辺りの感覚は「古事記」から連綿と現代日本語迄継承されているので、【落】(目的語無しの動詞)の文字群には"その通り"感がある。・・・
  ≪対応する現代日本語の訓≫
落ちる(音:ラク)
 隕ちる(音:エン ウン イン)
 磒ちる
      殞ちる
  湮[しず]
      沈む
   下りる…落下 or 下落
   降りる
 墜ちる…墜落
      隊ちる
      堕ちる…堕落
 摽ちる…摽落
  蘦(大苦@釋草)/霗…≒蕶→零
 零ちる…零落
 陥ちる(⇒おち入る)…陥落
      陷ちる(⇒おち入る)
  

     

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