■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[3m釋訓]■■■
釋訓での"不"の扱いは、いかにも用例ピックアップ的な様相。📖
字義的には言うまでもなく"ネガティブ"<否定動詞(not have/not be)/否定副詞/"勿"代替>だし、ここらの説明は不要な気になりがち・・・
 不俟…【不來】  不遹…【不蹟】  不徹…【不道】  (勿念…【勿忘】)
 暨…【不及】  蠢…【不遜】
 【有斐君子 終不可諼兮】 【道盛コ至善 民之不能忘】 
 不辰…【不時】


・・・しかしながら、"ネガティブ"という意味の由来となると厄介極まる。
「說文解字」の字形的繋がりでは、飛翔した鳥が下降して来ないと推定。無理がありそうな見方だが、文字秩序を字形的繋がりで示すためにはそれ以外になかろうと決断した結果だろう。なかなか美しい配列でもあるし。・・・
 ≪水≫
 ├──────・・・
 ≪龍≫
 ├──────≪非≫
 ≪飛≫
 ├──────≪卂≫
 ├──┐
 │ ≪不≫ :鳥飛上翔不下來[一…猶天 象形]
 │  │
 │ ≪至≫ :鳥飛从高下至地[一…猶地 象形 不上去而至下來] 📖
 │  ┴

ところが、<不>には、"ネガティブ"とは全く無縁そうな字義の用例も存在している。
そのなかでは、"花のガク"は、象形的にピッタリ合致している様にも映り、これを元義としたくなる。だが、そうすると、"ネガティブ"へと字義が変化して行った経緯の理屈が必要となるが、これはかなり難しい。しかも、ガクとすると、文字系譜上の繋がりを探すのは並大抵のことではない。
従って、不下來の象形とみなす強引な推定の方が良さげと考えるのはよくわかる。
①柎:闌足  ≒芣:華盛
    常棣之華 鄂不韡韡  [「詩經」常棣]…鄂不=花萼
②丕:大
    不顯不承 無射於人斯  [「詩經」清廟]
③鄙視…不敬重
④"不穀"
    於內自稱曰不穀 於外自稱曰王老  [「禮記」曲禮下]
        …古代君王自稱的謙辭(不善)
  
     

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