■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[5a釋宮]■■■
釋宮は現代の百科事典の"宮"の頁を想起させる出来。挿絵があると助かるのだがと思ったりするほど。
ところが、突然にその話から跳んで、同類文字の記述に引き戻される。・・・
  路[道]
  旅[軍之五百人為旅]
    …【途[n.a.]
  路[道]
  塲[n.a.]
  猷[n.a.]
  [人之步趨]
    …【道[所行道]
う〜む。
字体解釈に徹する「說文解字」が避けている文字が含まれているのも頷ける。
現代人にとってみれば、旅路と道路であり、なんということもない語彙の淡々とした解説に映る。要するに、古代王宮の地とは路の出発点でもあり終着点であるとの話でしかないからだ。ところが、字体に思い巡らした途端にギョッとさせられる。「爾雅」も凄い書である。古代王国の様子を文字でしっかりと伝えてくれているのだから。

さらに細かく【達[行不相遇]】(=通[達])を説明。・・・
[一達]一本続きの長い道…道路
[ニ達]二本分岐道…歧旁
[三達]三叉路…劇旁
[四達]四方向出発点( or 四ッ辻)[四達謂之衢]
           ⇒ 𧘂[通道] 街[四通道]
[五達]五方…康/𠭳(=安)[n.a.] ⇒ ト[康]
[六達]六方…莊/荘[上諱] village→main road
[七達]七方…劇驂
[八達]八方…崇期
[九達]九方…[n.a.] ⇒ 馗[九達道]
・・・四方八方的に四通八達あるいは四衢八街ではなく、九州的発想であるところが面白い。尚、五達だが、思想的暗喩用法に見える。
  

     

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