■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[8ba釋天]■■■
"子"は、子子 孫孫@釋訓の用例から始まり、釋親では数多くの文字の説明に使われるが、ヒト以外の釋蟲〜釋畜にも沢山登場して来る。"天子"は1例しかなく、その字義はoffspringとして極めて安定している様に見える。
しかし、十二支文字でもあるので、若干錯綜してくる。釋天-歳名では、"亥"に続いた11番目で、"在子曰:困敦"と記載される。もちろん、どうして"子"が登場するのかは読み取りようがない。

小篆の字形も嬰児とみなせば、抱きかかえる姿を考えればわからないことは無いが、動物一般に通用する姿ではない。裸蟲でのbaby概念を他の蟲に拡張したということで納得する以外に無い訳だが。

ここはかなり重要なところ。
儒教的には極めて重要な概念の筈だが、字形はそれをサポートしていないとしか思えないからだ。
子文字は一筆描で、上部の頭でっかち部外周から一気に、その下の胴部を示す多少くねった線が続く形。📍の頭と棒を柔らかく表現している様に見える。乳児的な🚼イメージとは程遠い。
儒教的観点なら、宗族維持の要であるから👨‍👨‍👦が標章の筈だろう。

ココらは「說文解字」大活躍。
「爾雅」は"了"系文字を収録していないから猶更その感を深くする。・・・
《子》子:十一月 陽气動 萬物滋 人以爲偁
《了》了:尦
   孑:無右臂
   孒:無左臂
《尣》尦:行脛相交 牛行腳相交為尦

要するに、推定ではあるものの、以下の様な字形-字義展開の見解を提示していることになろう。・・・
子…baby with arms
  heir(Refers to both sons and daughters)→charity
             (→男子美稱@宗族繁栄→爵位)
  ↓
了…crossing lower legs (without arms)
  ↓
  entangled legs
  ↓
  tie
  ↓
  finish【動詞】完了/終了 諒解 明瞭  ≒[矣/潦/瞭]⇒[俗]𬼸
        ⇒【Aspect助詞[後置]perfective
          ↓
         【語氣詞】[≒矣]
妥当性はなんとも言い難しだが、これに優る見解がありそうにも思えない。ただ、上記の文法上の展開は現代人にわかり易くするための説明用語でしかなく、「說文解字」の考え方(品詞概念不要 文構造勘案不要)とは全く違うと見ておいた方がよい。
  

     

 (C) 2025 RandDManagement.com  →HOME