■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[17aaa釋鳥]■■■ 漢語の基本語彙は1文字表記で示される音節単語であるというドグマがありながら、2文字の連字表記がかなり多用されているという事実は」矛盾していないのか、大いに気になるからだ。 但し、そう感じるのは、我々が現代文法的な視点から離れることができないせいもある。漢語には品詞という概念が欠落しているただただ暗記するしかない言語であるにもかかわらず、言葉として理解するには品詞概念無しではとうてい無理な訳で。(品詞規定無しに、構造言語もなにもあったものではないが、そう考えるとどうにもならない訳で。・・・品詞区別なしに、ダラダラと源氏物語的に切れ目無しの長い文章になるのが漢語の本質。古代感覚では、句読点など付けてはいけないのである。こんな性情なのだから、構造言語の訳がなかろう。もともとは、日本語の如く、頭に来るのは主語ではなく、主題提示語だったことを示唆している。) 釋鳥で採り上げたくなるのは、必然的連字がかなりありそうだから。 ♂♀の名称が異なる場合、種の呼び方を別に設定するのはかなり無理があり、両者を繋げることになろう。これはある意味、"陰陽"が連字として使われるようなもの。 ただ、雌雄の差異が目立たないなら重疊化して、2文字表記にする迄には至っていないようだ。ただ、詩作では重畳表現は好まれているから、鳴き声や特徴ある行動を名称にする場合はそんな表記が用いられていたと予想することはできよう。 しかしながら、釋鳥収載名では、1文字も少なくなく、"〜雉"という表記の如く、1文字とその修飾で2文字化している名称も多い。(修飾文字は前置が鉄則。しかし、そう見て探っても、種の推測はかなり難しい。) 難しくなってしまうのは、連字の造字が上記以外にもあるから。 構造言語であると、みなすしかないので、"SVО"が普遍的な配列になる訳だが、品詞レスであるから、この配列表記は誤解を生み易い。連字も、"S-V"や"V-О"と同じ文字になっておかしくないからだ。連字として名詞扱いする場合、前者では"V"が名詞化するし、後者の"S"は形容詞化することになる。 ・・・えらく厄介。 2文字連語化しなければならない理由は、もう一つある。 詩作を重視するなら、4文字1句である以上、下手をすれば、1文字x4になりかねず、リズム感が極めて悪い。できれば、2文字x2にしたくなる筈であり、1文字の鳥文字も、修飾語付や"SVО"的感性での2文字化は当たり前のプラクティスだったと考えることもできよう。 さらに、混乱をきたすのは、韻を重視するので、連語の順番を逆にしたりしかねない点。(e.g. 室家⇔家室@桃夭) (現代表記は、"椅子"が典型だが、意味不明の接尾文字を付けたりして、2文字化することになっている。「爾雅」用例にはその兆候は無い様に見える。) ⏩続 (C) 2025 RandDManagement.com →HOME |